パリオリンピックの最終聖火ランナーはあの人?過去の大会から浮かび上がる「法則」

AI要約

パリで史上3度目の夏季五輪が開幕。開会式では聖火台への点火式が注目される。

パリのオリンピック開催は100年ぶりで、ピエール・ド・クーベルタン男爵の出生地でもある。

開会式ではセーヌ川でのパレードや聖火リレーの最終ランナーに注目が集まる。

パリオリンピックの最終聖火ランナーはあの人?過去の大会から浮かび上がる「法則」

近代オリンピック誕生の揺りかごとなったフランス・パリで、史上3度目となる夏季五輪が開幕する。7月26日にはパリの世界遺産、セーヌ川で開会式が行われる。注目されるのは、式典のクライマックスとなる聖火台への点火式。毎回、その瞬間まで最終聖火ランナーはトップシークレットとなっているが、実は過去の大会の実績から選ばれる「法則」がありそうだ。それに基づけば、パリ大会では2人の有力候補が浮かび上がる。(ジャーナリスト・佐々木正明)

パリでのオリンピック開催は100年ぶり。古代オリンピックの聖地ギリシャ・アテネで第1回大会(1894年)が行われて以来、夏季大会は33回目を数える。

パリは「近代オリンピックの父」といわれるピエール・ド・クーベルタン男爵の出生地でもあり、19世紀末期、スポーツを通じた世界平和の実現を促進しようと、クーベルタン男爵が中心となって国際オリンピック委員会(IOC)が設立され、アテネでの開催が決まった。オリンピックのシンボルとして知られる五輪のマークも、後にクーベルタンが考案したものだ。

7月26日午後7時半(日本時間7月27日午前2時半)に行われるセーヌ川での開会式は、各国選手団のオリンピアンらが90隻以上の船に乗って約6キロの区間をパレードする予定。ウクライナや中東ガザでの戦争が多くの犠牲者を生む中で、クーベルタン男爵が理念とした平和主義が色濃く映し出された式典となるだろう。

式典のクライマックスには、聖火台に聖火を灯す儀式が行われる。オリンピックのルールで、アテネで点火された聖火は、大会期間中ずっと灯されなければならず、聖火台も選手や開催地の市民が見渡すことができる場所に設置しなくてはならない。

パリ大会の点火式には恐らく、世界遺産でもあるセーヌ河岸に位置し、パレードの最終地点であるエッフェル塔が何らかの演出をするのではないか。

それでは、最終聖火ランナーは誰か?

聖火台までトーチの火をつなぐ聖火リレーはフランス国内でも行われており、開会式が、聖火リレーの最終日となる。開会式でも数人のランナーが走り、パリ大会の顔となる人物にトーチがつながれる方式になるのだろう。

ここで前回(2021年)の東京大会の聖火リレー最終日を振り返ってみる。まず、柔道男子で五輪で金メダル三つを獲得した野村忠弘さんと女子レスリングで金メダル三つ、銀メダル一つに輝いた吉田沙保里さんがスポットライトを浴びる中でトーチをもって会場に現れた。

2人はゆっくりと走った後、2番手の野球界のレジェンド、長嶋茂雄さん、王貞治さん、松井秀喜さんへとつなぎ、3番手にはコロナ禍で奮闘した医師の大橋博樹さん、看護師の北川純子さんが登場した。

4番手はパラリンピアンで、夏と冬の両大会で金メダルに輝いた車いすアスリート、土田和香子さん、5番手には岩手、宮城、福島の児童6人が走り、栄えある最終ランナーには知名度が高い女子テニスの大坂なおみさんが選ばれた。

ハイチ出身の父と日本出身の母を持つ大坂選手は多文化主義を世界にアピールするためメッセンジャーとして、富士山に模した台座の頂点にある球体に、震災からの復興、新型コロナ禍を乗り越える願いを込めて 聖火がともされた。