パリ通のフランス文学者がいつも訪れる「私のお気に入りの場所」

AI要約

パリオリンピックがいよいよ開幕!パリの魅力が注目されています。

ジャルダン・デ・プラントはパリで訪れたい場所の一つで、長い歴史と魅力を持つ王立植物園です。

園内には様々な植物や動物、展示物があり、特に春には美しい桜の木が咲き誇ります。

パリ通のフランス文学者がいつも訪れる「私のお気に入りの場所」

パリオリンピックがいよいよ開幕!パリの魅力があらためて注目されています。

オリンピック開催に向けてパリのあちこちで再開発が行われてきましたが、歴史ある素晴らしい場所は残されています。

「パリに行くなら訪れたい場所」を、かつてパリに暮らし、その後もたびたび訪れている「パリ通」のフランス文学者・高遠弘美さんが伝えます。

【※本記事は、高遠弘美『物語 パリの歴史』から抜粋・編集したものです。】

春になると、否、春でなくてもですが訪れたい場所。そのひとつがジャルダン・デ・プラントです。パリ五区。アラブ世界研究所やパリ第六・第七大学、パリのモスクのすぐ近くです。メトロ五号線オーステルリッツ駅か七号線プラス・モンジュが最寄り駅です。

ルイ十三世の命令で1640年に開園した王立植物園で、長らく博物学者のビュフォンが園長を務めていました。フランス革命後は国立自然史博物館となり、現在に至ります。

園内に咲きほこる植物だけではなく、メキシコその他の珍しい植物を育成している温室や世界最初期の動物園、生命の進化を具体的にたどることができる大陳列館などもあり、何度行っても飽きることがありません。春には「関山」と「白妙」という種類の大きな桜の木が枝一杯に花をつけます。

百メートルに及ぶ長方形の庭園が直線状に伸びていて、その周囲には公園のように木蔭があるので、週末ともなるとパリの人たちがたくさんやって来ます。

大陳列館は恐竜の模型から始まって、さまざまな動物や昆虫の標本、絶滅したドードーの模型、鉱物まで、厖大な資料をわかりやすく分類して展示してありますし、地下の展示スペースでは、自然史とは直接関係のない美術展が開かれていることもあります(私はサラ・ムーンの写真展をそこで見ました)。

動物園にはジャイアントパンダこそいませんが、猫科の精悍なカラカル、世界最古の猫と言われるマヌル猫などをガラス越しに見ることができます。