マクロン仏大統領「五輪閉幕まで首相指名ない」

AI要約

フランスのマクロン大統領は、2024パリオリンピックの間、新首相を任命しないことを表明した。

左派連合「新人民戦線」は首相候補を決定したが、マクロン大統領が否定的な立場を示し、政治改革や予算の通過を重視している。

マクロン大統領が与党連合「アンサンブル」と中道右派の共和党との連携を促すなか、内紛やマクロン氏の行動に反発する動きも見られる。

マクロン仏大統領「五輪閉幕まで首相指名ない」

フランスのマクロン大統領が23日(現地時間)、2024パリオリンピック(五輪)が終わる8月中旬まで新首相を任命しないと明らかにした。

マクロン大統領はこの日、フランス2放送のインタビューで「五輪開催国としての我々の責任は、すべてを順調に最上の条件で進行させること」とし「このため私は安定を選んだ」と述べた。マクロン大統領は前日に選手村を訪問した際にも「五輪期間は『政治的休戦』の時間になるだろう」と話した。

7日に終わった解散総選挙で過半に達しない第1党となった左派連合「新人民戦線(NFP)」は内紛が続き、リュシー・カステ・パリ市財政局長を首相候補に決定した。

しかしマクロン大統領は「NFPが今回の議会でいかなる形態であれ多数を占めたと話すのは間違った話」とし、NFPの首相提案に否定的な立場を明らかにした。続いて「核心は政治陣営が提示した名前ではない」とし「重要なのは、政府が改革案と予算を通過させて国家を発展させられるよう議会で過半数を確保できるかということ」と強調した。

マクロン大統領の内心は、年金改革など自身が取り組んできた各種改革に反対するNFPや第3党の極右政党「国民連合(RN)」に首相職を譲り渡さないためだ。NFPはカステ氏を首相候補と発表しながら「64歳への定年延長に反対する闘争に積極的に参加した」と紹介した。RNも定年を62歳に戻す法案に賛成しながらNFPとの連帯する動きを見せている。

解散総選挙の結果、マクロン氏が属する与党連合「アンサンブル」は第2党となり、左派連合の分裂を機に下院議長職に自党出身を座らせることに成功した。これに先立ちマクロン大統領は選挙後、フランス国民に送る書簡を通じて、極左と極右を排除して自党と中道右派の共和党などが連合する新しい共和戦線の構築を促した。

新首相まで奪われる事態を懸念したNFPは、マクロン大統領が民主主義を否定しているとして総攻勢に入った。NFP内の最大陣営である極左性向「不服従のフランス(LFI)」のジャンリュック・メランション代表はX(旧ツイッター)に「大統領は選挙結果を受け入れることを拒否し、新しい共和戦線を我々に強要している」とし「これは話にならない」と非難した。

緑の党のマリン・トンデリア党首も「私たちは勝利し、公約があり、首相がある」とし「大統領がこのような形で妨害してはいけない。大統領は現実否定から抜け出さなければいけない」と述べた。