中国軍からの攻撃に備え、台湾が定例演習 よりリアルに実戦想定、市民も防空訓練

AI要約

台湾で中国軍からの攻撃に備えるための軍事演習「漢光40号」と防空演習「万安47号」が開始。漢光は実戦に近づけるため、シナリオを示さず実施。中国の「グレーゾーン」作戦強化や海域での緊張も続く。

漢光では軍艦の緊急出港や予備役の動員など実戦に即した訓練が行われ、万安は防空訓練が4地区に分かれて実施される。中国軍の無人機も台湾周辺で飛行し、状況は緊迫。

中国外務省は台湾の独立志向を批判し、力による独立は失敗に終わると警告。台湾は安全確保のための対応を強化、状況は緊迫を増している。

中国軍からの攻撃に備え、台湾が定例演習 よりリアルに実戦想定、市民も防空訓練

 【台北・後藤希】台湾で中国軍からの攻撃に備えるための定例軍事演習「漢光40号」と、一般市民を対象にした防空演習「万安47号」が22日始まった。漢光は26日までで、万安は25日まで。

 両演習は年に1回実施されている。今回の漢光はより実戦に近づけるため、兵士たちに事前にシナリオを示さない形で行われる。22日は軍艦を緊急出港させる演習や予備役を動員する訓練を行った。

 中国は近年、武力攻撃に至らない「グレーゾーン」作戦を強化している。独立派と見なす民主進歩党の頼清徳総統が1月に当選して以降、中国海警局が金門島周辺のパトロールを常態化。軍用機が台湾海峡上空の暗黙の「休戦ライン」である中間線を頻繁に越えている。

 台湾国防部によると、演習前日の21日午前8時40分ごろから同日夜にかけ、中国軍の無人機1機が台湾を取り囲むように飛行した。

 万安は台湾を4地区に分け、毎日1地区ずつ実施する。屋外の住民を建物内に緊急避難させる内容。台北市を含む北部地域では23日午後1時半(日本時間同2時半)から実施される。

 中国外務省の毛寧副報道局長は22日の記者会見で「台湾海峡の緊張を誇張し、力による独立を目指す試みは必ず失敗に終わるだろう」と批判した。