中国の侵攻想定、台湾で大規模軍事演習始まる 頼清徳総統も視察予定

AI要約

台湾で最大規模の統合軍事演習である「漢光演習」が始まり、中国軍の侵攻を想定して5日間にわたって実施される。

演習は台湾全土で行われ、ミサイル攻撃や上陸部隊の防御訓練、実弾訓練、避難訓練などが予定されている。

中国は台湾総統を警戒し、台湾周辺の軍事演習を行っているが、台湾側は実戦能力向上に注力している。

中国の侵攻想定、台湾で大規模軍事演習始まる 頼清徳総統も視察予定

 台湾で1年間で最大規模の統合軍事演習となる「漢光演習」が22日に始まった。中国軍の侵攻を想定し、26日までの5日間にわたって行われる予定だ。漢光演習は毎年実施されており、5月に就任した頼清徳(ライチントー)総統は総統として初めて現場を視察する見通し。

 演習は離島部も含めて台湾全土で行われる。22日は中国軍のミサイル攻撃を想定し、台湾海峡に面する西部の空港から、東部の洞窟に軍用機を移動して戦力の維持をはかる訓練などが行われた。

 今後、各地の空港や海岸などで上陸部隊を防ぐことを想定した訓練を行うほか、離島部では実弾訓練も行う予定だ。住民全員を対象とした30分間にわたる避難訓練も各地で行われる。

 中国は頼氏を「独立派」として警戒しており、就任直後に台湾周辺を取り囲むようにして軍事演習も行った。台湾側は今回、デモンストレーション要素の強い演習の多くを取りやめて、実戦能力の向上に力を入れるとしている。(台北=高田正幸)