東京には洪水防ぐ「地下神殿」がある…極限豪雨が増える韓国も参考にすべき(2)

AI要約

韓国の雨水トンネルの一例として、ソウル陽川区新月洞にある「新月雨水底流排水施設」の成功事例が紹介されている。

都市洪水予防に効果的な雨水トンネルの必要性と、過去の計画が批判や問題に直面した経緯が述べられている。

現在再推進されている大深度排水トンネル計画については、進展が遅れている状況が示され、国際的な基準以上の雨に備える必要性が指摘されている。

東京には洪水防ぐ「地下神殿」がある…極限豪雨が増える韓国も参考にすべき(2)

韓国の雨水トンネルはソウル陽川区新月洞(ヤンチョング・シンウォルドン)にある「新月雨水底流排水施設」が唯一だ。長さ4.7キロのトンネルが雨水を閉じ込めるが、計1390億ウォン(約157億円)が投入されて7年かけて完工した。一時常習浸水区域だった陽川区新月洞と江西区禾谷洞(カンソグ・ファゴクトン)一帯は施設が完工した2020年以降、豪雨による浸水被害が一度も発生していない。

都市洪水予防に効果的な雨水トンネルはなかなか増えないでいる。2011年7月大雨で牛眠山(ウミョンサン)山崩れが発生して16人の人命被害が出ると、呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は江南(カンナム)や光化門(クァンファムン)など7カ所に大深度排水トンネルを建設するという計画を発表した。だが、過度な土木工事という批判、環境団体の反対を受けた。莫大な工事費も問題だった。結局、後任の朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長は計画を大幅に修正し、新月トンネル1カ所だけを作った。

2022年に再当選した呉市長は常習浸水地域である江南駅と道林川(トリムチョン)、光化門一帯に対して2027年までに大深度排水トンネル計画を再推進することにした。銅雀区(トンジャクク)や竜山区(ヨンサング)一帯にも2030年までにトンネルを作るという計画だ。しかし事業進展は遅々として進まない。ソウル市は3つのトンネルの総事業費として予算1兆2000億ウォンを計上したが、2回も入札が流れた。結局、予算を増額した後、5月にようやく入札会社が現れた。まだ最初の工事が始まってもいない状態なので、今年始めるとしても2028年末になってこそ完工可能だ。

日本のように人口が大都市に集中して極限豪雨の頻度が高まっている韓国も日本の水害への備えを参考にする必要があるという指摘が出ている。世宗(セジョン)大建設環境工学科のクォン・ヒョンハン教授は「30年間最も多くの雨が降った時を基準として放水施設を作るのが国際的に通用しているが、最近は気候変動によってこのような基準を超過する雨が降っている」とし「特に浸水被害が繰り返されている江南は排水が難しく、地下排水路が必要だ」と指摘した。