伊でアルマーニとディオール調査、下請け企業の従業員搾取情報で

AI要約

イタリアの競争・市場保護委員会は、アルマーニとディオールが消費者を欺いた疑いを調査していると明らかにした。

両ブランドのサプライチェーンに連なる企業が従業員に適切な報酬を支払わず、長時間労働を強いている可能性を指摘。

ディオールとアルマーニは調査に協力する姿勢を見せているが、罰金が科せられる可能性もある。

伊でアルマーニとディオール調査、下請け企業の従業員搾取情報で

ロンドン/ローマ(CNN) イタリアの競争・市場保護委員会は20日までに、高級ファッションブランドの「アルマーニ」と「ディオール」が製品の工程において消費者を欺いた疑いがあるとして調査していることを明らかにした。

両ブランドのサプライチェーン(供給網)に連なる企業が従業員に十分な報酬を支払わず、長時間労働をしているとの情報が流れた後の措置となっている。同委は声明で、両ブランドは「倫理的かつ社会的な責任」について真実でない発表文を出した可能性があるとした。

今回調査は両ブランドグループの一部の取引企業が対象。これら企業の関連施設にも立ち入り検査を実施。市場戦略や販売でイタリアの消費者保護の関連法に背く「違法行為」を犯した可能性があるとして調べているとした。

違反行為が確認された場合、最大で1000万ユーロ(約17億1000万円)の罰金を科すこともあり得る。

同委は両ブランドは「職人芸と品質の高さを誇示する」一方で、労働賃金が安い工場からの製品を使っていると主張。一部の事例では労働者は健康管理や安全対策が不適切な職場で長時間の勤務を強いられているとした。

ロイター通信によると、今回調査は伊ミラノ市の検察当局が同国内の中国人経営の複数の企業を告発したことを受けた形ともなった。これら企業は従業員を組織的に虐待しながら、ディオールとアルマーニのための高級品を手がけていたという。

ディオールはCNNに寄せた声明で、伊当局が最近、同社に対し男性用の皮革商品の工程に関わる契約企業2社での「違法な労働慣習」を伝えてきたと説明。この2社への発注は今後打ち切るとも述べた。

アルマーニも声明で、同委が突きつけた疑惑の行為を否定しながらも、調査には協力すると表明した。