「支持してくれた人もそうでない人も」トランプ氏 演説から見えた「無党派層」へのメッセージ バイデン大統領への“直接批判”控えた理由【アメリカ大統領選】

AI要約

トランプ前大統領が独演で演説し、暗殺未遂事件を振り返る

トランプ氏は困難にも屈しない姿勢を示し、聴衆を感動させる

民主党に対して批判を行い、団結を訴える

「支持してくれた人もそうでない人も」トランプ氏 演説から見えた「無党派層」へのメッセージ バイデン大統領への“直接批判”控えた理由【アメリカ大統領選】

全米、全世界に衝撃を与えたトランプ前大統領に対する“暗殺未遂事件”から5日。ステージに立った78歳の大統領候補は、1時間半の独演を行った。熱狂に包まれた会場で発せられたメッセージはどのようなものだったのか。トランプ氏の「指名受諾演説」を検証する。(TBSワシントン支局 樫元照幸)

■「どんな困難にも屈しない」 “銃撃”振り返る

トランプ氏は穏やかなトーンで演説を始めた。大統領候補者指名への受諾表明をした後、現地7月13日に起きた暗殺未遂事件について語り始めた。あの時、何が起きたのか、どんなことを思ったのか。

トランプ氏が「銃弾がわずかにずれていたらここには私はいなかった」「全能の神のおかげでここに立てているんだ」と話した。聴衆からはスタンディングオベーションが起こる。

最も印象的な写真になった、血を流しながら右手を突き上げたシーンについても言及があった。トランプ氏は当時のことについて「皆に大丈夫だということを伝えたかった」と話し「これまでに聞いたことのないほど大きな歓声が聞こえた」と振り返った。

そして「どんな困難が立ちはだかっても私は決して屈しない」と聴衆にメッセージを発した。暗殺未遂事件を振り返るトランプ氏に対し、涙ながらに拍手を送る聴衆が会場のスクリーンには何度も映し出された。

銃撃現場で亡くなった男性への黙とうが終わると、話は自身の家族や政治へと展開していった。そして、徐々にトランプ氏の話しぶりのトーンが変化していく。

共和党大会初日の15日に会場に現れたトランプ氏は神妙な表情だった。暗殺未遂からまだ日も浅く、衝撃的な事件によるショックの影響が心配されたのだが、演説が進むにつれ、アドリブでの発言が増え、時折ジョークで聴衆を沸かせる場面が出てきた。

■キーワードは「団結」 民主党の口撃にも

大統領選を争うライバル・民主党への発言を見ていく。

トランプ氏は「政治的な意見の違いがある人を悪者扱いしてはならない」として、「民主党は司法制度を『武器化』して、政敵に『民主主義の敵』というレッテルを貼ることを、直ちにやめるべきだ」と主張した。