仏下院議長にマクロン大統領派が再選、左派に打撃

AI要約

フランス国民議会で再選を果たしたヤエル・ブロンピベ前議長。左派連合には打撃となった総選挙の結果により、政権運営の展望が注目されている。

総選挙で過半数に達しなかった3勢力の首相ポストが不透明な中、ブロンピベ氏の議会運営手腕が重要視されている。マクロン大統領の求心力も課題となっている。

ブロンピベ氏は協力と妥協を強調し、政権運営の実効性を高めるために努力する姿勢を示している。

仏下院議長にマクロン大統領派が再選、左派に打撃

Elizabeth Pineau Ingrid Melander

[パリ 18日 ロイター] - 7日の総選挙(決選投票)後最初のフランス国民議会(下院)が18日招集されて議長選が行われ、中道与党連合でマクロン大統領に近いヤエル・ブロンピベ前議長(53)が再選を果たし、政権運営継続への期待が高まった。一方で、総選挙で最多議席を獲得して首相ポストを目指す左派連合「新人民戦線」(NFP)には打撃となった。

議席総数は577。議長選は接戦で投票は3回に及び、ブロンピベ氏が220票を獲得した。対立候補の共産党のアンドレ・シャセーニュ氏は207票だった。

総選挙で左派連合は、マクロン氏が率いる中道連合や極右政党の国民連合(RN)を予想外に抑え、最多議席を獲得した。ただ、3勢力のいずれも過半数議席に届かず、次期首相ポストがどこから選出されるのかが不透明となっており、議長選は政界の先行きを探る上で試金石となっていた。

とはいえ、マクロン氏の求心力は陰っている上、誰が次期内閣を率いるのか、政権運営の実効性をどのように担保していくのかは見通せず、今後はブロンピベ氏の議会運営手腕が以前にも増して重要になってくる。

ブロンピベ氏は「われわれは協力し、妥協点を見つけなければならない。お互い話し合い、前進しなければいけない」と演説した。

中道連合のアタル首相は辞任したものの暫定首相として職務を続行している。暫定内閣はパリ五輪(7月26日―8月11日)以降も続く可能性がある。