アメリカ大統領選「民主党大逆転勝利」を可能にする唯一のシナリオ

AI要約

バイデン大統領の健康不安が広がりつつある中、米大統領選挙での撤退や民主党の大逆転勝利シナリオが浮上している。

民主党内部での激しい争いやトランプを倒すための団結、ヒーローショーのドラマチックな展開が期待されている。

トランプへの対抗策として候補者選びやテレビ露出を通じて民主党の勢いを高め、大逆転の可能性が示唆されている。

アメリカ大統領選「民主党大逆転勝利」を可能にする唯一のシナリオ

健康不安が広がるバイデン大統領。選挙戦撤退も囁かれ、トランプ優勢とされている米大統領選挙だが、ここにきて「民主党大逆転勝利」のシナリオが浮上している。米国最高の知性と呼ばれる国際政治学者のイアン・ブレマー氏が解説する。

「バイデンがこのタイミングで撤退すれば、後任の民主党大統領候補選びが一大ショーとなり、一気に国民の関心が民主党に注がれます。8月には4日間にわたって民主党全国大会が開催されますが、それまでに何度もテレビで討論会が放映され、民主党内部の争いが激化します。激しい競り合いの末に『最後は候補者のもとで一丸となってトランプを倒すんだ』という意識を浸透させることで、打倒トランプの気運を高めるのです」

まるでトランプを悪役に見立てたヒーローショー。正義が悪を倒すというアメリカ人好みのドラマで心を掴むというわけだ。ブレマー氏が続ける。

「順当にいけばカマラ・ハリス副大統領が繰り上がりで候補となるでしょうが、たとえハリスを候補にするのであっても、必ず争わせなければなりません。実は民主党内には、対トランプの切り札がいくつもあるのです。たとえば、ミシガン州知事のグレッチェン・ウィットマーやペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロがそうです。彼らは州知事選挙で、共和党候補を圧倒して勝利している。実力は折り紙付きです。誰が選ばれようともテレビ露出は増え、その勢いのまま選挙日を迎えれば民主党の大逆転が可能です」

政策論争より政治ショーが好きなのは、日本もアメリカもあまり変わりがないようで。

「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より