英ウェールズ首相、辞任表明 献金問題や閣僚解任で非難の声大きく

AI要約

英ウェールズ自治政府のボーン・ゲシング首席大臣が辞任を表明した。政治献金や情報流出疑惑などで批判が高まり、首相に相当する立場からの辞任となった。

ゲシング氏は黒人として初めて首席大臣に就任したが、有罪判決を受けた男性からの献金やSNSのやりとり消去疑惑が問題となり、閣僚からの辞任勧告も出るなど不正行為が疑われていた。

ゲシング氏は「内省や再建、刷新が進むと期待していたが、不可能だと悟った」と述べ、辞任理由を説明。一方で不正行為を否定し、「個人的な利益のために決断を下したことは一度もない」と主張している。

英ウェールズ首相、辞任表明 献金問題や閣僚解任で非難の声大きく

 英ウェールズ自治政府のボーン・ゲシング首席大臣(首相に相当)が16日、辞任を表明した。政治献金などをめぐるスキャンダルで政権内外の批判が高まり、首席大臣を続けることは不可能だと判断した。

 50歳のゲシング氏は今年3月、ウェールズ労働党の党首選に勝利し、黒人として初めて首席大臣になった。だが、廃棄物の不法投棄で有罪判決を受けた男性から20万ポンド(約4100万円)の献金を受けていたことが批判の対象となっていた。

 また、保健相だったコロナ禍に、情報公開による露見を避けようとSNSのやりとりを消去した疑惑も浮上。関連の情報を流出させたとして、5月に閣僚を解任したことも非難の声を高めた。16日には4人の閣僚が同時に抗議の辞任を申し出て、ゲシング氏の退任も避けられない状況になっていた。

 ゲシング氏は声明で、「夏にかけて、私のリーダーシップのもとで内省や再建、刷新が進むと期待していたが、いまやそれは不可能だと悟った」と説明。一方で「不正行為が行われたという指摘は政治的な動機に基づくもので、真実ではない。個人的な利益のために決断を下したことは一度もない」と訴えた。(ロンドン=藤原学思)