副大統領候補バンス氏、共和党きっての「孤立主義者」…日本製鉄のUSスチール買収も強く反対

AI要約

トランプ前大統領が副大統領候補に選んだJ・D・バンス上院議員は、米国第一を声高に訴える孤立主義者であり、外交・安全保障政策でトランプ路線を支持してきた。

バンス氏はウクライナ支援に反対し、米国に東欧の地上戦を支援する能力はないと主張。また、東アジアの問題と対中国を重視しており、関税強化など対中政策を強調している。

オハイオ州出身のバンス氏は、米国の安全保障と産業、労働者を重視し、日本製鉄による米鉄鋼大手買収にも反対している。

 【ミルウォーキー=田島大志】米共和党のトランプ前大統領が15日、副大統領候補に選んだJ・D・バンス上院議員は、党内きっての「孤立主義者」(米政治専門紙ポリティコ)として知られ、米国のウクライナ支援に反対するなど外交・安全保障政策で「米国第一」を声高に訴えてきた。

 バンス氏は2016年の大統領選前にトランプ氏に批判的だった時期もあるが、トランプ氏の推薦を受けて22年に初当選すると、トランプ路線を一貫して支持し忠誠心を示してきた。

 ウクライナ侵略を巡っては、停戦実現のため領土を巡るウクライナ側の「譲歩」も主張した。2月にミュンヘン安保会議に出席し、メディアの取材に支援が米国の国益にならないとして「米国に東欧の地上戦を無期限に支援する能力はない」などと訴えた。欧州にはバンス氏の外交・安保を巡る発言に懸念が強い。

 同会議では「欧州より東アジアの問題に関心がある」と、対中国を優先させるべきだとも強調し、関税強化を訴えるなど対中強硬論者でもある。かつて鉄鋼業などで栄えた「ラストベルト(さびついた工業地帯)」に位置するオハイオ州出身で「米国の安全保障と産業、労働者を守る」として、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収にも早くから反対論を強く唱えた。