昨年10月のハマス襲撃「大規模侵入の準備なし」 イスラエル軍報告

AI要約

イスラエルを襲撃したハマスによる犠牲者や人質の悲劇を受け、軍が当時の対応を検証した報告書を公表。

報告書によると、イスラエル軍は大規模な侵入に対する準備が不足しており、住民を守る使命を果たせなかったと結論づけられた。

襲撃全体に関する包括的な調査が行われ、一連の出来事の全体像を明らかにするための取り組みが続く。

昨年10月のハマス襲撃「大規模侵入の準備なし」 イスラエル軍報告

 イスラム組織ハマスが昨年10月にイスラエルを襲撃した際、初めに犠牲になった集落の一つについて、軍が当時の対応を検証した報告書を公表した。大規模な侵入に対する準備ができていなかったとし、「住民を守る使命を果たせなかった」と結論づけている。

 今回報告書が公表された集落は、パレスチナ自治区ガザとの境界から東約5キロのキブツ・ベエリ。襲撃当時、ハマスに一時制圧されて市民101人が死亡したほか、30人以上が人質となった。

 当時のハマスの襲撃は、数千人の戦闘員が複数箇所からイスラエル側に侵入し、数十カ所を同時に攻撃するという大がかりなものだった。報告書は、軍は訓練で「孤立した特定の侵入」を想定しており、大規模な侵入シナリオへの準備ができていなかったと指摘。その結果、襲撃時に追加の予備兵力を現地に派遣することができなかったとしている。

 10月7日の襲撃では、イスラエル側全体で約1200人が死亡した。報告書は今回の調査について、襲撃全体に関する「包括的調査の最初の部分」だとし、調査の終わりには「一連の出来事の全体像を描くことが可能になる」と説明している。