日韓首脳会談「関係更なる飛躍へ」 ロシアと北朝鮮の接近「憂慮」

AI要約

岸田首相は、ワシントンで韓国の尹大統領との会談で、ロシアと北朝鮮の軍事協力に懸念を示し、日米韓の連携の重要性を強調した。

両首脳は日韓間の信頼関係強化と対話活性化を確認し、関係の更なる発展を目指す姿勢を示した。

会談ではNATO首脳会議に出席中の両首脳だったが、韓国の世界文化遺産登録問題には触れられなかった。

日韓首脳会談「関係更なる飛躍へ」 ロシアと北朝鮮の接近「憂慮」

 岸田文雄首相は10日(日本時間11日)、訪問先の米ワシントンで、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と約35分間会談した。ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が6月に会談し軍事協力強化で合意したことについて、岸田首相は「地域の安全保障に与える影響の観点から深刻に憂慮すべきだ」と強調。両首脳は日米韓が緊密に連携する必要性で一致した。

 首相は会談で「日韓首脳が堅固な信頼関係と戦略的な問題意識の共有を土台として、緊密に連携することは大変意義深い」と指摘。来年に日韓国交正常化60周年を迎えることを踏まえ、両政府間で活発化している対話を、日韓関係の更なる飛躍へつなげる考えを確認した。

 両首脳は、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議のパートナー会合に出席するため、ワシントンを訪問中。対面での会談は5月以来となった。韓国側が反発している新潟県の「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録については、今回の会談では触れられなかった。【ワシントン中村紬葵】