飲酒運転で死亡事故を起こした韓国女性DJ、一審で懲役10年の実刑判決「反省しているか疑わしい」 

AI要約

泥酔状態で車を運転し、オートバイに乗っていた配達員男性と衝突し死亡させたDJイェソン(23、本名アン・イェソン)に懲役10年の実刑が宣告された。

裁判長は被告の責任を指摘し、事故を予測可能で避けられるものだったと述べた。また、被告の反省の程度に疑問を投げかけた。

アン被告は泥酔運転で2度の事故を起こし、被害者への適切な対応を怠った。懲役15年を求刑されたが、検察は悪質な罪状として言及した。

飲酒運転で死亡事故を起こした韓国女性DJ、一審で懲役10年の実刑判決「反省しているか疑わしい」 

 泥酔状態で車を運転し、オートバイに乗っていた50代の配達員男性と衝突し死亡させたDJイェソン(23、本名アン・イェソン)に一審で懲役10年の実刑が宣告された。

 ソウル中央地裁刑事25単独(キム・ジヨン裁判長)は9日、特定犯罪加重処罰などに関する法律違反(危険運転致死)などの容疑で逮捕・起訴されたアン被告に懲役10年の実刑を宣告した。またアン被告が所有するベンツとそのキーも没収された。

 判決文で裁判長は「今回の事件で起こった2回の交通事故はいずれも全面的に被告の責任だった」「どちらの事故も十分に予測可能で、被告の対応により簡単に避けることができたため、違法の度合いは非常に深刻だ」と指摘した。裁判長はさらに「事故当時の記憶がないにもかかわらず、ドライブレコーダーには当時の(被害者との)対話の様子が記録されたと主張するなど、救命措置を怠った事実を否定し、容易には納得しがたい弁明を行った」「本当に反省しているかどうかさえ疑わしい」とも述べた。

 裁判長は「被告は1回目の事故の被害者のために500万ウォン(約58万円)を供託したが、被害者は供託金を受け取る意思がないことを明確にしており、被告の処罰を望んでいる」「2回目の事故の被害者遺族は被告と合意し、処罰を願わないと文書で伝えたが、生命を失った被害者本人はこの事件について自らの言葉を伝える機会さえ与えられなかった。この点は事件の内容に反映させないわけにはいかない」とも説明した。

 アン被告は今年2月3日早朝4時30分ごろ、ソウル市江南区論峴洞で泥酔状態で車を運転し、センターラインを越えて交通事故を起こしたが現場から逃走した。直後の逃走中にも鶴洞駅交差点近くでオートバイをはねて乗っていた配達員男性を死亡させたとして逮捕・起訴された。目撃者によると、事故当時アン被告はオートバイに乗っていた配達員男性の救命対応を怠り、ペットを抱いていたとして厳しい非難を受けた。アン被告の事故当時の血中アルコール濃度は0.221%で、免許取り消しとなる0.08%を大きく上回っていたという。

 先月の最終陳述で検察は「被害者の生命を奪う結果となったにもかかわらず、被害者に責任を押し付けるなど罪状は非常に悪質だ」として懲役15年を求刑していた。

 これに対してアン被告は事故後に500万ウォンを供託したことや、2回目の事故の被害者遺族と合意に至ったことなどを理由に減刑を求めていた。アン被告による75回の反省文も提出された。アン被告の弁護士は「被告は芸能界で天才的な才能を持っており、中国、タイ、台湾など海外で公演しながら国のために頑張ってきた」「ソウル鍾路警察署の広報大使も務めている」などとして執行猶予の付いた寛大な判決を求めていた。

イ・ソンモク記者