ハンガリー首相、中国主席とウクライナ和平協議 ロシアに続き

AI要約

ハンガリーのオルバン首相が中国を訪問し、習近平国家主席と会談。オルバン氏は平和使節としてウクライナとロシアを訪問し、中国は3カ国目となる。

習近平国家主席は、ロシアとウクライナの紛争解決の支援を呼びかけ。中国はハンガリーとの関係を重視し、交渉を進めている。

ハンガリーはEU議長国として中国との経済関係を重視し、豚肉や鶏肉の輸出再開などの交渉も行っている。

ハンガリー首相、中国主席とウクライナ和平協議 ロシアに続き

[北京 8日 ロイター] - ハンガリーのオルバン首相は8日、中国を訪問し習近平国家主席と会談した。ハンガリーが今月初めに輪番制の欧州連合(EU)議長国に就任して以降、オルバン氏は「平和使節」と称してウクライナとロシアを訪問しており、中国は3カ国目となる。

今週は、ワシントンで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれ、ウクライナ支援が議題になる。またインドのモディ首相が8─9日の日程でロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する予定だ。

中国国営メディアによると、オルバン氏と習氏は北京の釣魚台国賓館で会談。ロシアの侵攻が続くウクライナ問題を話し合った。会談は、習氏が欧州歴訪でハンガリーを訪問した5月以来。

中国は5月、ロシアとウクライナの紛争終結に向け、ブラジルと共同で6項目の和平案を示した。

習氏は会談で「国際社会は双方の直接対話と交渉の再開に向けた条件を整え、支援を提供すべきだ」とし「早期停戦による政治的解決を模索することは、全て当事者の利益になる」と述べた。

オルバン氏は、わずか2カ月後に習氏と再び会談することについて「中国が、ロシア・ウクライナ戦争の和平条件を作り出す上で重要な国」だからだと説明した。

<経済的思惑>

EUの対中国政策が厳しくなる中、ハンガリーは貿易・投資で中国の重要なパートナーになっている。

EUの中国製電気自動車(EV)への追加関税に対抗し、中国は欧州産豚肉への反ダンピング(不当廉売)税賦課をちらつかせているが、ハンガリーの国営メディアによると、シーヤールトー外務貿易相は中国への豚肉・鶏肉の輸出再開について交渉したと述べた。

オルバン氏の3カ国訪問には、欧州連合(EU)内で独断専行との批判が出ているが、習氏はオルバン氏に、「(ハンガリーが)中国・EU関係の健全で安定した発展促進に積極的な役割を果たす」ことを期待していると述べた。

ドイツのハーベック副首相は8日、オルバン氏は欧州を代表しておらず、ハンガリーの政治はEUの意見の中核を代表していないことが多いと述べた。