金与正氏「門前で明白な情勢激化の挑発」 韓国軍の射撃訓練を批判

AI要約

 北朝鮮の金正恩総書記の妹である金与正氏が韓国軍の射撃訓練を批判し、南北軍事合意の効力停止や日米韓の共同訓練に警告を発した。

 金与正氏は、韓国軍の射撃訓練を「敵の火遊び」と非難し、北朝鮮に対する主権侵害があれば武力行使する姿勢を示した。

 北朝鮮は日米韓の共同訓練にも反発し、地域の軍事的支配や敵対勢力の策動を糾弾している。

金与正氏「門前で明白な情勢激化の挑発」 韓国軍の射撃訓練を批判

 北朝鮮の朝鮮中央通信は8日、金正恩(キムジョンウン)総書記の妹で朝鮮労働党副部長の金与正(キムヨジョン)氏の談話を配信した。南北の軍事境界線近くでの韓国軍の射撃訓練などを「わが国の門前で露骨に行った敵の火遊びは、明白な情勢激化の挑発的行動」と批判した。

 韓国政府は6月、軍事境界線付近で敵対行為をしないとする南北軍事合意の効力を全面停止。北朝鮮に近い海域での海上射撃訓練や、軍事境界線から5キロ以内の射撃場での地上射撃訓練を再開した。与正氏は談話で、これらの訓練を批判。日米韓が6月下旬に行った新たな共同訓練「フリーダムエッジ」についても「地域に対する軍事的支配を狙った米国と敵対勢力の策動が危険な境界線を越えていることを如実に示した」と非難した。

 与正氏はその上で、北朝鮮に対して「主権侵害や宣戦布告となる行為」があれば、「憲法が武力に与えた使命と任務は直ちに遂行されるだろう」と強調した。(ソウル=太田成美)