軍拡競争を繰り広げる北朝鮮と韓国… プーチン大統領が状況をさらに悪化させる可能性も(海外)

AI要約

北朝鮮と韓国の軍拡競争とミサイル実験の激化。

ロシアと北朝鮮の新たな同盟関係が状況を悪化させている可能性。

ロシアの支援により、北朝鮮の脅威が増大し、地域の安全保障に影響を与える可能性。

軍拡競争を繰り広げる北朝鮮と韓国… プーチン大統領が状況をさらに悪化させる可能性も(海外)

北朝鮮と韓国が軍拡競争を繰り広げている。

北朝鮮はミサイル発射実験を繰り返している。

ロシアと北朝鮮の新たな同盟関係は、状況を悪化させる可能性がある。

7月1日、北朝鮮は弾道ミサイルよりもはるかに大きな破壊力を持つ新兵器の実験を行ったと主張した。

4.5トンの超大型弾頭を搭載できる新型戦術弾道ミサイル「火星砲-11 Da-4.5」は、朝鮮半島での軍拡競争が激化する中、北朝鮮の核基地を破壊できる「バンカー・バスター」として設計された、韓国の数トンの弾頭を搭載できる弾道ミサイルの開発に続くものだ。

韓国軍は北朝鮮の発表を「欺瞞」の可能性が高いとし、北朝鮮は実験を失敗し、ミサイルは平壌近郊に落ちたと主張した。

ロシアのプーチン大統領が北朝鮮の金正恩総書記と新たな安全保障の協力関係を結んだことで、状況はさらに危険になる可能性がある。

何十年もの間、ロシアが常任理事国を務める国連安全保障理事会は、北朝鮮の核兵器の開発を規制し、重要な技術や世界経済へのアクセスを遮断しようとしてきた。

ロシアは北朝鮮が東の国境にもたらす潜在的脅威を警戒し、アメリカを含む各国と協力して金正恩総書記を孤立させようとしていた。ところが、ウクライナ侵攻がそれを変えた。

軍のための弾薬や大砲の新たな供給をどうしても必要とするプーチン大統領は、北朝鮮で新たな供給先を見つけた。

報道によると、北朝鮮はロシアにウクライナの都市を狙う弾道ミサイルとともに、ウクライナでの作戦のために最大300万発の砲弾を供給している。

その見返りとして、ロシアは北朝鮮が外交的、経済的、軍事的に孤立している状況を打破する手助けをしている。

ロシアは北朝鮮への食糧や燃料の輸出を増やし、北朝鮮に対する制裁の実施状況を調査する専門家パネルの任期を延長する決議案に対し、拒否権を行使した。

また、ロシアは北朝鮮に極めて重要な衛星技術を渡した疑いもある。この技術は北朝鮮がこの地域のアメリカの同盟国を監視し、戦争になった場合、その軍事資産をより効果的に狙うのに使用できる。

これまでのところ、北朝鮮に直接的な軍事支援を行うには至っていないようだが、北朝鮮が攻撃された場合は助けに行くとロシアは約束している。

ただ、戦略国際問題研究所(CSIS)のアナリストたちは、金総書記が「厳しい交渉」によって、より高度な核・ミサイル技術を要求するのではないかと懸念している。

「北朝鮮は高性能の大陸間弾道ミサイルや原子力潜水艦など、アメリカのミサイル防衛を回避できる核戦力を手に入れることで利益を得るだろう」とアナリストたちは6月20日に公表した記事で書いている。

北朝鮮は1日の実験がいかにうまくいったか、誇張しているかもしれないが、ロシアとの同盟関係は東アジアの微妙な安全保障のバランスに北朝鮮が及ぼす脅威を確実に高めている。

ミサイル技術が向上すれば、理論的には北朝鮮がアメリカのミサイル防衛システムを回避して、アメリカ本土を攻撃することが可能になり、アメリカの韓国に対する安全保障上の誓約が損なわれることになる。

北朝鮮がアメリカを攻撃できるようになれば、「アメリカの核の保障に対する疑念」を煽り、ひいては「韓国が独自の核抑止力を開発しようとする新たな動きに火をつける」可能性があると、ウィルソン・センターのアナリストたちは4月に書いている。

これに対し、韓国政府はウクライナに武器を送ることもあり得ると述べ、ボイス・オブ・アメリカは1日、韓国の政治家の中にはアメリカの核抑止力の有効性に疑問を呈する声もあると報じた。

韓国の国会議員、羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)氏は6月下旬、アメリカの核抑止力は「今は機能している」ものの、「将来の安全保障環境の変化に対応する能力を保証するものではない」と語ったとボイス・オブ・アメリカは伝えている。