極右候補、仏総選挙から撤退 ナチス軍帽写真めぐり

AI要約

極右政党「国民連合(RN)」の候補者がナチス・ドイツ(Nazi)の軍帽をかぶった写真が流出し、立候補を取り下げた。

写真はソーシャルメディアに投稿されており物議を醸し、候補者は立候補の撤退を発表した。

ナチス時代との関連が指摘されるなか、他の候補者が勝利宣言を行い、決選投票が注目されている。

極右候補、仏総選挙から撤退 ナチス軍帽写真めぐり

【AFP=時事】フランス国民議会(下院)総選挙で、極右政党「国民連合(RN)」の候補者が2日、ナチス・ドイツ(Nazi)の軍帽をかぶった写真が流出したことを受け、立候補を取り下げた。RNが仏メディアに明らかにした。

 RNのリュディビーヌ・ダウディ(Ludivine Daoudi)候補は6月30日の第1回投票で、北西部カルバドス(Calvados)県の選挙区で3位に付けた。だが、過去にソーシャルメディアに投稿されていた、ナチス時代のドイツ空軍の帽子をかぶった写真が浮上し、インターネット上で物議を醸した。

 RN現地支部のフィリップ・シャプロン(Philippe Chapron)氏は2日、ラジオ局フランス・ブルーに対し、ダウディ氏の「立候補はきょう取り下げられる」「彼女(ダウディ氏)は何も否定していない」と語った。

 写真については「数年前に撮られたもの」だと説明した上で、「悪趣味」だと表現した。

 AFPはシャプロン氏とコメントを求めたが回答は得られなかった。ダウディ氏にも取材を試みたが、連絡が付かなかった。

 ダウディ氏と同じ選挙区に立候補し、第1回投票で2位に付けた左派のエマ・フーロー(Emma Fourreau)氏はダウディ氏の撤退は「勝利」だと語った。フーロー氏は今週末の決選投票で、第1回投票で1位となった右派候補と議席を争うことになる。

 フーロー氏はナチス軍帽写真について、「旧友を含むダウディ氏を知る複数の情報源からこのフェイスブックのスクリーンショットが送られてきた」と説明。ダウディ氏のアカウントからは既に削除されていると付け加えた。

 マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏が実質的に率いるRNの前身は、同氏の父ジャンマリ(Jean-Marie Le Pen)氏とナチス武装親衛隊(Waffen-SS)出身者が共同で創設した国民戦線(FN)で、ジャンマリ氏はホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)を否定したことで有罪判決も受けた。このためルペン氏は、RNのイメージ一新に努めている。

 だが、フーロー氏はRNを「今もナチス・ドイツを持ち出す人種差別政党のままだ」とこき下ろした。【翻訳編集】 AFPBB News