NASA出身の新韓国気象庁長「100年ぶりの大雨、今は30年に1回」

AI要約

2022年8月に降った記録的な豪雨が再び予測困難であることを指摘。

気象庁長に就任した張東彦氏が気候変動による影響を懸念。

予報技術の重要性と韓国型数値予報モデルの必要性を強調。

NASA出身の新韓国気象庁長「100年ぶりの大雨、今は30年に1回」

「2022年8月ソウルに降った豪雨が今年も降らないという保証はありません」

新たに気象庁長に就任した張東彦(チャン・ドンオン)氏は30日、「気候変動で夏の大雨パターンが変わり、予測がさらに難しくなった」として心配した。2年前の豪雨とはソウルに1時間当たり最大141ミリ〔銅雀区(トンジャクグ)〕の雨が降った「500年に1回の大雨」のことだ。当時、ソウル江南(カンナム)駅が浸水して新林洞(シルリムドン)半地下一家3人が死亡する事故も発生した。

最近の人事で1日から業務をスタートすることになった張庁長は各種数値を根拠に韓半島(朝鮮半島)の気候パターンの変化を説明した。張庁長はソウル大大気科学科と同大学院修・博士を経て米国航空宇宙局(NASA)に研究員として勤務して2001年気象庁研究員になった。数値予報開発課長、予報研究科長などを歴任し、2022年8月から気象庁次長に在任した気候予測のベテランだ。

◇「100年ぶりの降水、今は30年に1回出現」

張庁長は「最近になって施設に被害を与えるほどの1時間当たり50ミリの雨が出現する日が大きく増えた。100年に1回降るような雨が30年に1回現れる様相」と話した。このような現象の原因は気候変動だ。張庁長は「気温が1度上昇するごとに大気が含むことができる水蒸気量が10%ほど多くなるが、韓半島の地表温度が過去100年で2度高くなった点が、豪雨が頻発する原因だと考える」と説明した。

張庁長は今夏の大雨を深く心配した。「猛暑を左右する気候因子を分析した結果、今年は最も猛暑がひどかった2018年よりもそれほど暑くないことが分かったが、雨はどこが最大値なのか断言できない」と話した。

◇「天気と競争しているような気分…技術競争で勝たなければ」

張庁長は「韓国は気象予測が難しい条件をすべて備えている」とし、韓国型数値予報モデル(KIM)の必要性を強調した。韓半島(朝鮮半島)は三面が海なので観測網を精密に敷くことできないうえ、北には北朝鮮があり国土に流入する気圧計状況を観測するのに不利だということだ。また、国土の63%が山地なので雨雲を変質させる地形的特性による変数も多いという。

張庁長は「天気と鬼ごっこ、競争しているような気分」とも表現した。予報技術は急速に発展したが、気候変動による変動性がこれよりも大きくなったことを現場で実感したためだ。国際的にも覇権競争が安全保障分野と同じく激しく、技術開発が必要だというの張庁長の所信だ。

張庁長は「予測技術が最も優秀なところは欧州と英国だ。我々も独自の数値予報モデルを開発して世界6大気象強国に飛躍したが、天気変動性が大きいだけに技術競争にもっと参入していかなくてはならない。それでこそ気候変動の中で国民の安全を守ることができる」と述べた。