【解説】フィリピン現役市長に中国人スパイ疑惑 “指紋が別の中国人”で写真も印象違う 世界にスパイ網、日本でも逮捕者…警視庁公安部が警戒

AI要約

フィリピンのバンバン市の女性市長が中国人である可能性が浮上し、中国人スパイ疑惑が持ち上がっている。

市長の出生や就学を証明するものが存在せず、違法オンラインカジノに関与した疑いが浮上。そして指紋が中国人女性と一致したことから、中国との関係が疑われている。

違法賭博に関与した疑いもあり、現地当局が実態解明を進めている。

【解説】フィリピン現役市長に中国人スパイ疑惑 “指紋が別の中国人”で写真も印象違う 世界にスパイ網、日本でも逮捕者…警視庁公安部が警戒

フィリピンで市長を務める女性が“中国人スパイ”である疑惑が浮上。彼女には出生や就学を証明するものが存在していなかったが、違法オンラインカジノに関与した疑いが浮上したため、身辺調査したところ、指紋が中国人女性と一致。中国との関係が疑われる事態となった。

フィリピン・バンバン市の女性市長が中国人である可能性が浮上し、「中国人スパイ」疑惑が持ち上がっている。

疑惑が浮上しているのは、フィリピンの首都マニラ北部にあるバンバン市のアリス・グォ市長だ。

現地メディアによると、グォ市長は出生や就学を証明するものがなく、2024年3月に警察に摘発された市内にある中国人向けオンラインカジノ施設の土地の半分を所有していたことから、中国との繋がりが疑われた。

マルコス大統領は「彼女がどこから来たのか分からない。市民権の問題がある」として捜査を指示し、現地当局は市長の指紋が別の中国人女性のものと一致したとして「中国人の可能性が高い」と指摘した。

市長が違法賭博に関与した疑いもあり、当局は実態解明を進めている。

このニュースについて、フジテレビ・立石修取材センター室長が解説する。

フジテレビ・立石修 取材センター室長:


疑惑の女性市長は、アジアだけでなく欧米でも話題になっています。

宮司 愛海 キャスター:

このアリス・グォ市長ですが、2022年に35歳という若さでマニラ北部にあるバンバン市の市長に当選し、養豚場で育ったとのことで、庶民派をアピールし人気を集めていました。

立石 取材センター室長:

選挙活動中の映像では、“ピンクがイメージカラー”の市長を応援するために、ピンクのシャツを着た村人や熱狂的に追いかける支持者の姿が多く見られ、人気があったことが分かります。

宮司 キャスター:


しかし、6月に現地当局がグォ市長の指紋を調べたところ、グォ・ファピン氏という別の中国人女性と一致。調査によりますと、グォ・ファピン氏は中国・福建省生まれで、2003年、13歳の時に特別投資家居住ビザでフィリピンに入国した中国人です。

立石 取材センター室長:

その後、捜査当局は本物のアリス・グォ氏とされる女性の写真を公開しましたが、グォ市長と比べると、明らかに別人だという印象を強く受けます。

青井実 キャスター:

別人の可能性が濃厚だということですが、なぜ「スパイ疑惑」にまで、話が広がったのでしょうか。

立石 取材センター室長:

それは、この疑惑が持ち上がった発端の事件にあります。

宮司 キャスター:


BBCによると2024年3月、フィリピン警察はバンバン市内にある、大手のオンラインカジノを人身売買などの違法ビジネスとの関連で摘発しました。このカジノの顧客の多くは中国人ということがありました。。

そして、このカジノ土地の半分に加えて、株式もグォ市長が所有していたことが判明し、身辺を調べる流れとなり、市長が中国人の可能性があることが判明。ひいては中国のスパイではないかとの疑いも浮上しました。

立石 取材センター室長:


このオンラインカジノが、一つのポイントです。

実はフィリピンには中国の金持ちを相手にした「POGO」と呼ばれるオンラインカジノが多数あります。これらは中国と親密だったドゥテルテ前大統領時代に多数作られ、中国との蜜月関係を象徴するものだった。だからこそ、市長と中国の繋がりが疑われている。