韓国の4月出生数、19カ月ぶりに「プラス」

AI要約

韓国では4月に出生数が増加し、婚姻件数も上昇している。しかし、専門家は一時的な影響であり、出産回避の問題が解決されていないため、今後の出生率の推移は不透明だ。

増加した出生数は、前年同月比で18カ月ぶりに増加し、増加の要因として増えてきた婚姻件数が挙げられる。しかし、基底効果も影響しており、一時的な増加かどうかはまだ定かではない。

婚姻件数は歴代最大の増加率を記録し、結婚支援策も一部地域で取られている。しかし、出生率の回復が続くかは不透明であり、少子化の根本問題の解決が必要だと指摘されている。

韓国の4月出生数、19カ月ぶりに「プラス」

韓国では徐々に小さくなっていた赤ちゃんの産声が久しぶりに大きくなった。4月の出生数が前年同月比2.8%増加して19カ月ぶりにプラスに転換しながらだ。出生率の先行指標である婚姻件数も4月基準で歴代最大幅に増えた。少子化状況に「青信号」が灯り、今年の合計特殊出生率も反騰できるのではないかという期待もにじむ。ただし、専門家は基底効果にともなう一時的な影響が大きく、出産回避基調が続いていて今後の推移を予断するのは難しいと指摘する。

26日、韓国統計庁が発表した「4月の人口動向」を見ると、4月の出生数は1万9049人で1年前に比べて521人増加した。前年同月比の出生数は2022年9月(0.1%)以降、18カ月連続で下降していたが4月に入ってかろうじてブレーキがかかった。

韓国統計庁は、主要な原因の一つとして2022年8月から増えてきた婚姻件数を挙げた。結婚後、最初の出産まで平均2年がかかることを考慮すると、当時婚姻件数が増加したのが出産に反映され始めたということだ。実際、ソーシャルディスタンスの余波で萎縮した婚姻件数増加率(前年同月比)はエンデミックが本格化した2022年8月(6.8%)にプラス転換した後、昨年1~3月には二桁増加率(16.6~21.5%)を記録した。

基底効果も外せない。昨年4月の出生数は1万8528人で、1年前に比べて12.5%急減した。2018年以降2万人台を記録していた4月の出生数が初めて2万人を割った。1年前の下落幅があまりにも大きかったせいで、今年は増加率が大きく現れたということだ。

それでも肯定的な点は出生率の先行指標である婚姻件数が増加に転じた点だ。4月の婚姻件数は1万8039件で昨年比24.6%(3565件)増えた。2月と3月には前年同月比それぞれ5%、5.5%減少したが3カ月ぶりにプラスに転換した。

◇専門家「出生児・結婚増えたのは基底効果…もう少し見守らなければ」

増加率で見ると、2018年10月(26%)以降最も高く、4月基準では歴代最高値だ。

昨年4月の婚姻件数が前年比8.4%減少したことに伴う基底効果もはたらいたが、韓国政府の少子化対策に実効性があったという見方もある。地域別婚姻件数増加率を見ると、結婚支援を進めた地域で増加が目立ったためだ。例えば大田(テジョン)の場合、増加率が44.1%で最も高かったが、大田は今年1月から満19~39歳の新婚夫婦を対象に最大500万ウォン(約57万6300円)の結婚奨励金を支援した。増加率2位の大邱(テグ)(37.6%)も結婚7年以内の新婚夫婦に年間320万ウォンの伝貰(チョンセ、賃貸住宅保証金)ローンの利子償還額支援など結婚支援策を打ち出した。

カギは出生率反騰の勢いが維持されるかどうかだ。漢陽(ハニャン)大高齢社会研究院のイ・サムシク院長(人口保健福祉協会長)は2022~2023年に婚姻した人の第二子、第三子まで考慮すれば2030年までに出生率がわずかに回復するかもしれないが、合計特殊出生率が1人台を越えるほどの反騰は起きないだろうと展望した。イ院長は「『出産回避』という少子化の根本問題が解決されたわけではないので、合計特殊出生率0人台を抜け出すのは難しいようだ」と話した。韓国統計庁関係者も「当初の期待よりは合計特殊出生率が高くなるかもしれないが、昨年記録した0.72人を越えることは容易ではないと思う」と話した。統計庁が展望した今年の合計特殊出生率は0.68人だ。ただしソウル大人口政策研究センターのイ・サンリム責任研究員は「昨年下半期から減少傾向に転じていた婚姻件数が4月に入り大幅に増えたのは肯定的」と話した。