英日のバイレイシャル、日本育ちの映画監督が映す「日本の小学校教育の良さ」

AI要約

東京の小学生たちの1年間を追ったドキュメンタリー映画『小学校~それは小さな社会~』が世界各国で上映されている。監督の山崎エマは、ドキュメンタリーによる社会の記録作家として注目されている。

作品は東京国際映画祭でワールド・プレミア上映され、観客からの圧倒的な反応を受けている。山崎監督は、日本の教育制度について肯定的な側面と変革の必要性を伝えている。

10年前にアイデアが生まれた本作は、子供たちの責任感を育む日本の教育システムに焦点を当てており、国内外で議論を呼んでいる。

英日のバイレイシャル、日本育ちの映画監督が映す「日本の小学校教育の良さ」

東京の小学生たちの1年間を追ったドキュメンタリー映画『小学校~それは小さな社会~』がいま、世界各国で上映されている。同作を撮影した山崎エマ監督に、香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」がインタビューした。

山崎エマ(エマ・ライアン・ヤマザキ)は、ドキュメンタリー監督になるために万全の準備をしてきた。それも、ただのドキュメンタリー監督になるためではない。

これは時代と観客の好みが決めることだろう。だが間違いなく、日本屈指のメタモダニズムの記録作家が誕生しつつある。

日本と英国のミックスで、「英国ドラマの「『コロネーション・ストリート』や『ザ・ビル』、『イーストエンダーズ』を見て育った」という山崎が、このような成長を遂げるとは誰も予想しなかっただろう。彼女の最新の長編ドキュメンタリー『小学校~それは小さな社会~』(2023)に、英国で人気のメロドラマと、多くの人に愛されている刑事ものがどれほど影響を与えたかは議論の余地があるかもしれない。

山崎監督の大作『小学校~それは小さな社会~』は、昨年秋、東京国際映画祭でワールド・プレミア上映された。東京の小学生たちの1年間を追った同作は現在、タイから米国まで、世界各国の映画祭で上映されている。

東京のプレミア上映での観客の反応は「圧倒的で、驚くほど感動的でした」と、山崎は東京の自宅から語る。

「観客はさまざまな場面で涙を流し、子供時代や自分が育った教育システムを懐かしんでいました。そして私自身にとっても、エモーショナルな作品です。ここまでは長い旅でした。本作のアイデアは10年前に思いついたものなんです」

「日本の学校制度は、日本人からすると当たり前に思えるもののひとつであり、同時に悪い評判も多い。日本の教育には否定的な意見が多いし、その問題点も理解しています」

「でも、自分たちで教室を掃除し、給食を出すシステムを持つ制度としては、唯一です。子供たちは幼いうちから責任感を学ぶんですよ。この点は私たちが認めるべきことですし、他国も見習える部分でしょう」

「同時に、現代において変えられる部分もたくさんあるはずです。観客の皆さんも私の伝えたかったことをわかってくれたようで、とても嬉しかった」