ウクライナ、ロシア南部のドローン基地を破壊と発表 発射や訓練に使用か

AI要約

ウクライナ軍がロシアのドローン基地を破壊したと発表。

ロシアがウクライナに対する報復措置を行っており、両国間の緊張が高まっている。

両国の攻撃や報復により複数の死傷者が出ており、国際社会からの懸念が高まっている。

ウクライナは23日、ロシア南部クラスノダール地方にある同国軍のドローン(無人機)基地を破壊したと発表した。

ウクライナ海軍は複数の衛星画像をソーシャルメディアに投稿。イラン製ドローンの発射や士官候補生の訓練に使われていたロシアの倉庫が破壊されたことが、これらの画像で示されているとした。

画像公開に先だち、クラスノダール地方のロシアの飛行場付近で大規模な爆発があったとの報告が出ていた。

ロシア政府はこうした報告についてまだコメントしていないが、同地方で21日、多数のドローンを夜通し撃墜したと説明している。

ウクライナの海軍関係者によると、イラン製ドローン「シャヘド」の操作を指導していた教官とそれを学んでいた士官候補生が多数、21日夜の攻撃で死亡したという。

この作戦はウクライナの情報機関と協力して計画・実施されたものだと、ウクライナの海軍関係者はメッセージアプリ「テレグラム」に投稿した。

アゾフ海に面するこのドローン基地は、ロシア占領下にあるウクライナ南東部マリウポリの対岸に位置することが、衛星画像を撮影した米企業「プラネット・ラボ」のデータが示している。

「クラスノダール地方にある『シャヘド136/ゲラン2』(ドローン)の保管・準備施設、訓練用の建物、これらのUAV(無人航空機)の制御・通信ポイントが6月21日夜に破壊されたことが、新たな衛星画像で確認された」と、ウクライナ海軍当局者はフェイスブックに投稿した。

ソーシャルメディアに投稿された画像では、4月11日時点で、南北に走る道路によって二分された二つの大きな倉庫があるように見える。

6月22日に撮影された画像では、倉庫の一つが完全に破壊され、もう一方も大きな被害を受けているように見える。

ロシアは21日、ウクライナがロシア南部の石油精製所と軍事目標を攻撃した際に、114機のドローンを撃墜したとしている。落下してきた破片で1人が死亡したとしたが、ドローン基地への攻撃については言及しなかった。

こうした中、ロシアが2014年に一方的に併合したクリミアで、ウクライナが発射したミサイルにより子供2人を含む少なくとも4人が死亡したとロシアが発表し、アメリカの責任を問うとしている。地元のロシア当局によると、セヴァストポリ市近郊のウチュクエフカ海岸にミサイルの破片が飛び、140人以上がショック症状や破片による傷の治療を必要としたという。

ロシア国防省は5発のミサイルのうち4発は防空システムで破壊されたが、迎撃ミサイルの破片が海岸地域に落下したと発表した。政府関係者は、攻撃にはアメリカが供与した陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)が使用され、アメリカの専門家が攻撃のための座標を設定したと主張した。

ロシア・ベルゴロド州では23日夜、ウクライナのドローン攻撃があり、1人が死亡、3人が負傷したと、ヴャチェスラフ・グラドコフ州知事が明らかにした。

グラドコフ知事によると、ドローンの一つがウクライナ国境から約6キロ離れたロシア・グライヴォロンに飛来し、駐車場を破壊したという。

一方、ウクライナの首都キーウでは21日夜、ロシアのミサイルとドローンによる攻撃があり、2人が負傷し、多数の住宅が被害を受けたと、ウクライナ当局者が明らかにした。

キーウ地域軍事行政のトップ、ルスラン・クラフチェンコ氏は、落下してきた破片で複数の人が負傷したほか、高層ビル6棟と個人の住宅20棟、店舗数軒が被害を受けたと説明した。

ウクライナ空軍はロシアがキーウに向けて発射したミサイル3発のうち2発を破壊したと発表した。

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は毎晩定例の演説で、ウクライナに新たな防空システムを供与するよう、西側諸国に改めて訴えた。

「ウクライナには、これらの爆弾の輸送機、特にロシアの戦闘機を、どこにあったとしても破壊できる武力と手段が必要だ」

(英語記事 Ukraine says it destroyed Russian drone base)