【英国】中銀、金利5.25%に据え置き 7会合連続、8月利下げに含み

AI要約

イングランド銀行は政策金利を5.25%に据え置き、インフレ率の減速を確認しながら今後の金利政策を見極める方針を示した。

金融政策委員会では7人が金利の据え置きを支持し、2人が利下げを主張した。ベイリー総裁はインフレの安定化を重視して金利の変更を見送った。

次回会合での金利決定に向け、雇用や賃金の動向など幅広い情報を検討し、利下げの可能性も示唆されている。

 英中銀イングランド銀行は20日、前日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を5.25%に据え置くことを決めたと発表した。大方の予想通り、7会合連続での据え置きとなった。インフレ率は中銀目標の2%まで減速したものの、持続的にこの水準にとどまることを見極める必要があると判断した。ただ、早ければ8月に利下げに踏み切る可能性を示唆している。

 議事録によると、今回のMPCでは前回と同様、金融政策委員9人のうち7人が据え置きを支持した。残る2人は0.25ポイントの利下げを主張した。

 フィナンシャル・タイムズによると、ベイリー総裁は記者会見で「インフレ率が中銀目標の2%に戻ったことは朗報」と語った上で、「インフレ率が引き続き低水準にとどまることを確認する必要があるため、金利の据え置きを決めた」と説明した。

 MPCは7月31日の次回会合では、雇用や賃金上昇率、サービス部門のインフレなど「あらゆる情報を検討し、これらがインフレ長期化リスクの軽減に及ぼす影響を見極める」方針で、「それに基づき金利をいつまで現行水準に据え置くべきかを見直す」と、利下げサイクル入りに含みを持たせた。決定内容は8月1日に公表する。

 5月のインフレ率は2%と、前月の2.3%からさらに減速し、約3年ぶりに中銀目標に達した。サービス部門のインフレ率は5.7%と予想を上回ったが、MPCは「これによりインフレ減速傾向が大きく変わることはない」との見方を示した。