セントルイス連銀総裁、利下げが適切かデータ見極めには「数四半期」

AI要約

ムサレム総裁は利下げの必要性を示唆し、資料の評価には時間がかかると述べた。

インフレ率や経済データの検討が必要であり、利下げのタイミングは数四半期かかる可能性がある。

金融政策の見直しや代替シナリオの検討が必要であり、経済見通しの進展を重視している。

(ブルームバーグ): 米セントルイス連銀のムサレム総裁は、利下げを裏付けるデータを見極めるには数カ月ではなく「数四半期」かかる可能性の方が高いと述べ、利下げがしばらく遅れる可能性を示唆した。

ムサレム総裁は18日、就任以来初の金融政策に関する講演で、米金融当局は別の経済シナリオの可能性を検討し、国民に説明する必要があると主張。インフレ状況が停滞したり、反転したりした場合には、追加利上げが必要になる可能性もあると述べた。

さらに「インフレ状況が順調に推移し、需要が緩やかになり、供給が拡大する時期を見極めてからでないと、フェデラルファンド(FF)金利目標レンジの引き下げが適切であると確信することはできない。このような条件が整うには数カ月、あるいは数四半期かかる可能性の方が高い」と語った。

連邦公開市場委員会(FOMC)は12日、年内の利下げ回数を1回と予想した。3月時点の予測では3回だった。FOMCは利下げを開始する前に、インフレ率が目標の2%に向かって減速していることをもっと確信する必要があると警告している。

FOMCは金利据え置き、24年利下げ予想1回に減少-来年は4回 (4)

ムサレム総裁は金利の見通しを明言しなかったが、今年の利下げは1回もしくは全く利下げが実施されないと予想している当局者の1人であることを講演は示唆した。

継続的な進展

同氏は「5月のインフレ率低下は歓迎すべきことで、インフレ状況の継続的な進展の潜在的な兆候だ」と述べながらも、「トレンドを確立するには1つのデータだけでは不十分だ」と付け加えた。

ムサレム氏は最近の統計が米経済の軟化を示唆しているとも述べた。実質個人消費と名目小売売上高のデータは「ほとんど期待外れ」であり、5月のデータは「まちまち」だと話した。

FOMCは今年後半から金融政策の枠組みを見直す予定であり、ムサレム氏は最も可能性の高い経済見通しだけでなく、代替シナリオを検討する必要性を強調した。