ウクライナ平和サミット開幕 和平案で同意取り付け目指す スイス

AI要約

ウクライナ侵攻から2年以上が経過し、スイスで開催された平和サミットには90超の国が参加。多くの国がウクライナへの支持を表明し、「正義の平和」を呼び掛ける一方、ロシアはサミットから排除されたことに抗議している。

ウクライナ大統領は和平案を国際社会に提示する考えを明らかにし、次回のサミットでロシアに結果を伝えると述べた。ロシアは併合地域からの撤退を求められており、米国やフランス、サウジアラビアなどから様々な意見が述べられている。

サミットには中国の抗議もあり、和平案の合意には難航が予想される。国際社会の立場の相違が表面化しており、さまざまな意見が交差している状況だ。

ウクライナ平和サミット開幕 和平案で同意取り付け目指す スイス

【AFP=時事】ロシアによるウクライナ侵攻開始から2年以上が経過する中、スイスで15日、和平を模索する「平和サミット」が開幕した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、紛争終結に向けた和平案をめぐり国際的な同意を取り付けた上で、ロシアに提示したい考えだ。

 サミットは2日間の日程で、90超の国の首脳や高官らが参加。多くの国がウクライナへの強い支持を表明し、「正義の平和」を呼び掛けている。一方で、ロシアがサミットから排除されたことを批判し、戦争終結にはウクライナの妥協が必要だと主張する声も上あった。

 ゼレンスキー氏は開幕に当たり、「世界にとって正義の平和が何を意味するのか、そしてそれがどのように持続的に達成され得るのかを共に決定しなければならない」と発言。その上で「次回のサミットで戦争の真の終結を実現できるよう、ロシアの代表者にも結果を伝えることになる」と述べた。

 ウクライナは次回のサミットにはロシアも招待されるとしており、この日、他の多くの国がその考えを支持した。

 サミットに先立つ14日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、ウクライナが和平交渉の開始を望むなら、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州から撤退するよう要求。

 これについて米国のカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領は、プーチン氏は「交渉ではなく、降伏を求めている」と非難。フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領も、「われわれは皆、持続可能な平和の構築に取り組んでいる。そうした平和がウクライナの降伏であるはずがない」と述べた。

  一方、エネルギー分野でロシアと協力関係にあるサウジアラビアは、ウクライナに対し、戦争終結には「困難を伴う妥協」が必要だと指摘。

 中国は、ロシアが排除されたことに抗議して代表団を派遣しなかった。

 また、ケニアのウィリアム・ルト(William Ruto)大統領は、ウクライナ支援に向けロシアの凍結資産を活用することで先進7か国(G7)が合意したことを批判。「ロシアのウクライナ侵攻が違法で受け入れられないのと同様に、ロシア資産の一方的な活用も違法だ」と語った。

 参加国の立場には相違が見られることから、和平案での合意に向けては難航も予想される。【翻訳編集】 AFPBB News