中国に台湾軍の機密漏洩、退役大佐に懲役20年 将校6人抱き込む 台湾の最高裁

AI要約

台湾空軍の退役大佐が将校6人を抱き込んで軍の機密情報を中国側に売り渡した事件で、最高法院は懲役20年の判決を確定

習近平政権の軍事的圧力増大に伴い、台湾軍内部への浸透工作への対処が大きな課題となっている

大佐は2013年以降中国に渡り情報機関に取り込まれ、台湾に戻って軍内の人脈を利用して情報を漏洩させていた

【台北=西見由章】台湾空軍の退役大佐が将校6人を抱き込んで軍の機密情報を中国側に売り渡したとして国家機密保護法違反などの罪に問われた事件で、最高法院(最高裁)は13日、退役大佐の上訴を棄却し、懲役20年の判決が確定した。台湾の中央通信社などが14日報じた。

台湾統一を掲げる中国の習近平政権が軍事的圧力を強める中、台湾軍内部への浸透工作にいかに対処するかが頼清徳政権の大きな課題となっている。

報道によると、大佐は退役した2013年以降、中国に渡ってビジネスに従事していた際に中国の情報機関に取り込まれた。その後、台湾に戻って軍内部の人脈を利用し現役将校に接触。ギャンブルで借金を抱えていた空軍中佐(その後退役)やその妻の少佐らに軍の機密文書などを集めさせ、中国側に渡して報酬を得ていた。

大佐に抱き込まれ情報を漏洩(ろうえい)したとして起訴された将校6人の中には、総統専用機を管轄する台北の空軍松山基地所属の現役少佐も含まれている。

一方、今回の最高法院の判決により、別の少佐1人の無罪判決が確定した。