日ウクライナ首脳会談 新たな攻撃発生すれば24時間以内に協議

AI要約

岸田文雄首相とウクライナのゼレンスキー大統領が会談し、ウクライナ支援・協力アコードに署名。文書には24時間以内の対応や復興支援が記載されている。

日本とウクライナは10年有効の支援文書に署名し、地雷対策や人道支援などが柱となっている。安全保障分野では殺傷能力のない装備品の提供も含まれている。

主要7カ国の枠組みに基づき、岸田氏とゼレンスキー氏の会談では新たな支援内容や国際会議の開催が約束され、15カ国がすでに協定に署名している。

日ウクライナ首脳会談 新たな攻撃発生すれば24時間以内に協議

 岸田文雄首相は13日午後(日本時間同日夜)、イタリア南部プーリア州でウクライナのゼレンスキー大統領と約30分間、会談した。両首脳は、ロシアの侵攻を受けるウクライナの復興に向けた支援策や協力分野を明確化した2国間文書「日・ウクライナ支援・協力アコード」に署名。将来、ロシアによる新たな武力攻撃が発生した場合に、日本とウクライナが24時間以内に政府間協議を開いて対応する規定も盛り込んだ。

 首相は会談で「ウクライナの復旧・復興のための支援を強化する」と述べた。ゼレンスキー氏は文書の署名を歓迎した。

 文書は人道・復興分野でのウクライナ支援を柱としており、地雷対策・がれき除去、女性や子どもを含む人道状況の改善、生活再建などを明記。憲法上の制約を踏まえ、安全保障・防衛分野では殺傷能力のない防衛装備品や物資の提供、負傷したウクライナ兵の治療など、日本がこれまで実施してきた可能な協力内容を記載した。文書の有効期間は10年。

 主要7カ国(G7)は昨年7月、長期的な安全保障をウクライナに提供するための国際的な枠組みを定めた共同宣言を発表し、具体策は各国がウクライナと協定を結んで決めるとしていた。これまでに英独仏など15カ国が文書に署名している。

 岸田氏とゼレンスキー氏が対面で正式会談するのは、昨年5月のG7広島サミット以来、約1年ぶり。岸田氏は会談で、ウクライナへの財政支援や電力分野での追加支援などの新たな取り組みを行うとともに、2025年にはウクライナの地雷除去対策を議論する国際会議を日本で開催すると表明。ゼレンスキー氏は「会議に最大限協力したい」と応じた。開催時期は25年秋を想定している。【バーリ(イタリア南部)影山哲也】