プーチン大統領、非欧米諸国に結束呼び掛け ロシアで「多極化」テーマに国際経済フォーラム

AI要約

ロシアのプーチン大統領は露主催の国際経済フォーラムで演説し、制裁にもかかわらずロシアが世界の主要な貿易国であることを強調。非欧米諸国との関係強化をアピール。

今年のフォーラムのテーマは「多極世界の基礎-新たな成長点の形成」。プーチン氏は多極化に向かうべきだと主張し、ウクライナ侵略も世界秩序打破の一環と述べた。

ロシアはウクライナ侵略後、非欧米諸国との関係を強化。プーチン氏は欧米主導の世界秩序に対する非欧米諸国の団結を強化する思惑だとされる。

プーチン大統領、非欧米諸国に結束呼び掛け ロシアで「多極化」テーマに国際経済フォーラム

ロシアのプーチン大統領は7日、北西部サンクトペテルブルクで露主催の国際経済フォーラムの全体会合に出席し、「制裁にもかかわらずロシアは世界の主要な貿易国の一つだ」「露貿易額の4分の3が友好国との間のものだ」などと演説した。ウクライナ侵略に伴う欧米主導の対露経済制裁をロシアが克服したと強調した上で、非欧米諸国とロシアの関係強化をアピールした形だ。

毎年恒例となっているフォーラムの今年のテーマは「多極世界の基礎-新たな成長点の形成」。世界は欧米による「一極支配」を打破して多極化に向かうべきだとするプーチン氏の主張を反映した。プーチン氏は従来、ウクライナ侵略も欧米主導の世界秩序打破の一環だと主張してきた。

ロシアは今年のフォーラムに昨年と同規模の130カ国超が代表を派遣するとしている。ただ、全体会合に首脳が出席したのは南米ボリビアとアフリカ南部ジンバブエにとどまり、ロシアの影響力低下も垣間見られた。

プーチン氏は演説で、「世界の政治経済の現状」を概説。対露制裁への対応や露経済の長期的な発展計画に言及した。プーチン氏は演説後に質疑応答にも応じ、ウクライナでの露軍の優勢を誇示してウクライナや同国を支援する欧米諸国に抗戦断念を促す構えだ。

ロシアはウクライナ全面侵攻後、中国やインド、グローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)など制裁から距離を置く非欧米諸国との関係を強化し、制裁の打撃や国際的孤立を和らげようとしてきた。

プーチン氏は今回のフォーラムを通じ、欧米主導の世界秩序に対する非欧米諸国の団結を強化する思惑だとみられる。