ドイツモーターズ捜査チーム、尹大統領夫人を「出頭要請して取り調べる」方針だった

AI要約

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の夫人、キム・ゴンヒ女史が提出した陳述書には、事実と異なる内容が含まれており、捜査チームは彼女を直接取り調べる必要性を感じていた。

検察はキム女史を呼び出しての取り調べを試みたが、彼女側は応じなかった。捜査チームは公平な捜査を行うためにも彼女の協力が必要だと考えていた。

現在、キム女史関連の事件について検察は捜査を進めており、公開的に彼女を呼び出す方針を決定するなど、注意深く対応している。

 ドイツモーターズの株価操作疑惑を受けている尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の夫人、キム・ゴンヒ女史が2021年12月に提出した陳述書に、当時検察が把握した事実関係に明確に反する内容があったことが明らかになった。このため、当時捜査チームは「キム女史を呼び出して取り調べない限り、いかなる結論も出せない」という意見をまとめたことがわかった。「検察がキム女史を不起訴処分する方針を固めた」という報道もあったが、当時捜査チームが不起訴処分を検討した事件は株価操作疑惑ではなく他の告発事件だった。

 6日、ハンギョレが複数の検察関係者を取材した結果、当時のキム女史の陳述書に含まれた内容の一部は、捜査チームが把握した内容と事実が異なり、他の内容も答弁が不十分だったため、捜査チームではキム女史に対する取り調べが欠かせないということで共感を成したという。当初、質問用紙を送る時から呼び出して取り調べることを前提に構成したが、答弁が不十分だったため、キム女史に対する直接取り調べの意志が強くなったという意味だ。

 検察はキム女史側の弁護人を通じて呼び出しに応じる意向を打診したが、キム女史側にはその意向がなかった。大統領選挙を3カ月後に控えた時期だったため、検察も選挙介入との物議を避けようとし、積極的に出頭を要請することはできなかった。

 当時の捜査状況に詳しい検察関係者は「(キム女史は呼び出しに応じなかったが)強制拘引まで検討するのは難しい状況だった」と語った。当時、一部メディアから「検察がキム女史を不起訴処分する方針を固めた」とか、「捜査チーム内に意見の相違がある」という報道が相次いだが、これは事実と異なるという意味だ。

 ハンギョレの取材の結果、当時捜査チームが株価操作の疑惑ではなく、「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領選候補(当時)夫妻に関連した疑惑のうち一部について嫌疑なしの処分を検討したのは事実だ。キム女史が2010年10月、自身が住んでいたソウル瑞草洞(ソチョドン)の住商複合ビル「アクロビスタ」をサムスン電子側に敷金7億ウォン(約7960万円)で伝貰(チョンセ・契約時に高額の保証金を貸主に預けることで月々の家賃は発生しない不動産賃貸方式)に出した疑惑などだった。その他にも株価操作疑惑以外のいくつかの告発事件があったが、これらの事件をまず不起訴処分にするか、それとも捜査を全て終えて一括処理するかをめぐり意見の相違はあったという。

 検察は現在、キム女史の出頭要請時期と方法などをめぐり腐心している。検察は前日、キム女史を公開的に呼び出す方針を決めたという報道が出たことを受け、「キム女史に関して取り調べの方式や時期などについてこれまで決まったことはない」とし、「捜査日程に沿って必要な捜査を進めてから、証拠と法理に則って結論を下す」という立場を発表した。現在、ソウル中央地検はキム女史関連事件2件を捜査している。ドイツモーターズの株価操作疑惑事件は反腐敗捜査2部(チョ・ジェフン部長)で、ブランドバッグ受け取り疑惑は刑事1部(キム・スンホ部長)で捜査中だ。

チョン・グァンジュン記者light@hani.co.kr