韓国国会史上初 与党不在のまま新会期入り

AI要約

第22代国会の最初の本会議が与党不在の中で始まり、野党が禹元植議員を国会議長に選出した。

与野党の対立から、常任委員長の配分を巡る問題が発生し、共に民主党が国会運営の主導権を握ろうとしている。

与野党の意見の相違があり、法制司法委員長や運営委員長の選出について対立が続いている。

韓国国会史上初 与党不在のまま新会期入り

 第22代国会最初の本会議が5日、与党不在の中で始まった。野党の共に民主党、祖国革新党、改革新党、進歩党などの議員192人が与党・国民の力不在のままで本会議を開催し、共に民主党の禹元植(ウ・ウォンシク)議員を前半期(任期2年)の国会議長に選出した。国民の力所属議員108人は「議事日程の合意が無い状態での本会議開催は受け入れられない」として採決に参加せず、議場の外で抗議活動を行った。

 朴正煕(パク・チョンヒ)政権当時の1967年と文在寅(ムン・ジェイン)政権初期の2020年に野党第1党が参加せず与党単独で国会が開かれた前例はある。しかし今回のように野党が単独で国会を開く事態は憲政史上初めてだ。この日国会副議長には共に民主党の李学永(イ・ハクヨン)議員が選出され、与党側の副議長は選出が先送りされた。

 今回の問題は、国会法制司法委員長や運営委員長など常任委員長の配分を巡る与野党の対立から始まったようだ。法制司法委員会は裁判所や検察を管轄し、他の常任委員会から上程された法案を最終審査する権限を持つ。また運営委員会は大統領室を担当する。共に民主党は海兵隊員特別検事法を成立させ、またこの問題での大統領室の関与を把握するため二つの常任委員長を確保したい考えだ。また大統領の妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏を巡る特別検事法、放送3法、いわゆる「検察改革」など争点となっている法案を迅速に成立させ、国会運営の主導権を握るためにも共に民主党は自分たちがこれらの委員長を出したいと考えている。

 国会法に基づいて採決すれば、絶対多数の議席を握る共に民主党の要求は全て成立する。これに対して国民の力は「運営委員長は与党から、法制司法委員長は第2党から出すのがこれまでの国会の慣例だ」として反対している。国民の力の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)院内代表は「第18代国会では当時のハンナラ党が153議席、民主党が81議席だったが、与野党合意という大義に基づき(単独での)本会議は開催しなかった」と反発した。しかし共に民主党は国会法に基づき今月7日までに常任委員会の構成を終えたいとしている。共に民主党の朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は「国会法に従わないのなら、これは民主的手続きの否定だ」と主張した。政界からは「年金改革や少子化対策関連法案、高レベル放射性廃棄物管理特別法など国民生活関連の主要法案は今回の第22代国会で成立させねばならない。ところがその国会が初日から大荒れになっている」など懸念の声が相次いでいる。

朴秀纘(パク・スチャン)記者