日米韓安保「制度化」を突き動かすのは? シャングリラダイアローグ

AI要約

先月31日から2日にシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議」に出席した日韓防衛相は、2018年以来続いてきたレーダー照射問題で合意し、防衛交流再開を決めた。

日韓関係改善は、日米韓安保体制の強化も後押しし、3カ国は安保協力の「制度化」でも一致。

日本側と韓国側の確執が続いていた中、交渉はぎりぎりの状況で合意に至った。

日米韓安保「制度化」を突き動かすのは? シャングリラダイアローグ

 先月31日から2日にシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議」(シャングリラ・ダイアローグ)(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)に出席した日韓防衛相は、2018年以来続いてきたレーダー照射問題で合意し、防衛交流再開を決めた。日韓関係改善は、日米韓安保体制の強化も後押しし、3カ国は安保協力の「制度化」でも一致。ただ、日米韓を突き動かすのは、中国や北朝鮮の脅威のみならず、3カ国関係の先行きの不透明さもある。

 木原稔防衛相が就任後初めて臨んだ今回の会議。ハイライトは、1日の日韓防衛相会談だった。レーダー照射問題は、18年12月に石川県能登半島沖で発生。日本側は韓国海軍駆逐艦が海上自衛隊P1哨戒機に火器管制レーダーを照射したと主張する一方、韓国側は照射を否定し、自衛隊機が危険な低空飛行を行ったと主張。長年の確執に日本側出席者の一人が「日本を出発する段階では合意は無理だと思っていた」と振り返るほどぎりぎりの交渉が続いた。

 先に部屋に入り、入り口に立って韓国の申源湜(シンウォンシク)国防相を待っていた木原氏。その表情は、普段よりも硬かった。会談時間は約30分。出席者によると、申氏は合意がまとまると「拍手しましょう」と呼びかけ、その場は拍手に包まれたという。