ハマスのガザ統治「受け入れない」とイスラエル国防相 停戦の新提案、さらに曲折も

AI要約

イスラエルのガラント国防相は、ハマスがガザを統治することを受け入れないと強調し、代わる統治主体を検討している。

バイデン米大統領は恒久停戦案を発表し、ハマスの排除については明言しなかった。

イスラエル政府内ではハマスを殲滅せず戦闘を終わらせることに反対する声も上がっている。

【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのガラント国防相は2日、イスラム原理主義組織ハマスがパレスチナ自治区ガザを統治することは「受け入れない」と強調し、戦闘終結をにらんでハマスに代わる統治主体候補を検討していると述べた。ロイター通信が伝えた。

バイデン米大統領は5月31日、イスラエルの提案だとして恒久的停戦に向けた3段階の「ロードマップ」案を発表したが、ガザの戦後統治からハマスを排除するか否かは明言しなかった。ハマスがガラント氏の発言に反発する恐れもありそうだ。新提案の発表直後、ハマスは受諾に前向きな姿勢を示唆していた。

6月1日には停戦協議を仲介する米国とカタール、エジプトがイスラエル、ハマスの双方に新提案を受け入れるよう求める共同声明を出した。

一方、イスラエルのネタニヤフ連立政権に参加しているベングビール国家治安相ら極右政党の閣僚は1日、「ハマスを完全に殲滅(せんめつ)せず戦闘を終わらせることには賛成しない」と述べ、新提案受け入れに反対する姿勢を鮮明にした。

ベングビール氏は連立政権を離脱して政権を崩壊させると警告しており、新提案を巡る駆け引きがさらに続く可能性もある。