【J2仙台で成長する、J1川崎の若武者2人の現在地(1)】松井蓮之が「経験も大事ですけど、負けはできるだけ経験したくない」と語る責任感。さらに見据える“次”とは

AI要約

松井蓮之がチームとしての敗戦の受け止めと次戦への準備を語る。

松井は成長を実感し、次の成長点としてプレーの幅を広げる意気込みを語る。

試合に出続けることが成長につながり、松井は自身の感覚が徐々に戻っていると感じている。

【J2仙台で成長する、J1川崎の若武者2人の現在地(1)】松井蓮之が「経験も大事ですけど、負けはできるだけ経験したくない」と語る責任感。さらに見据える“次”とは

「4失点はチームとしても見直さなければいけない」

 試合後のミックスゾーン。テレビ局のカメラがズラリと並ぶ中で、チームとしての敗戦の受け止めを語るのは松井蓮之だ。5月26日、ベガルタ仙台はホーム・ユアテックスタジアムでファジアーノ岡山に1-4で敗戦。1万人以上が駆け付けた中で、手痛い黒星を喫した。

 先制するいい流れだったものの、失点を4度重ねて敗れたことについてまずは冒頭のように話すと、「(岡山のFW)ルカオ選手にみんな集中しすぎた部分もありますけどそこはコーチングで解決できますし、あと、僕たちの戻る場所は改善していかなければいけない」と次の試合へ向けての解決のイメージも具体的に説明した。

 松井が川崎フロンターレから期限付き移籍したのが今年3月のこと。以来、これが12試合目の出場となる。そして岡山戦は6試合連続での先発出場で、この試合は仙台が苦しい状況に立ったもののフル出場を託された。

 テレビ対応で発せられた質問は6問。敗戦の受け止めやルカオへの対応、4連勝していた中での切り替えなど、チームとしてこの試合をどう捉え、そして、次にどうつなげるかについてだ。その質問一つ一つに、松井への期待が込められていた。

 試合に出続けること、そして、視線を一身に浴びることは、確実に成長につながっている。テレビ対応後の松井に、実感している”変化”について率直に聞くと次のように話す。

「試合をコントロールするところやボールをもらう回数は増えてきていますし、あとは自分のストロングであるボールを奪い切るなどの球際の強さは、試合をするにつれてだんだん自分の感覚が戻ってきたかなという印象はあります」

 戻りつつあるという、自分の感覚。それは、試合に出ているからこそ、感じるものだ。トレーニングマッチでの出場や、他のポジションでの出場とは違って、「ここに来てボランチで使ってもらっていますし、試合にも多く出させてもらっている」からこそだという。

 だからこそ、次に到達すべき成長点も見据えている。その一つが前半終了間際に見せた前に飛び出してのシュート場面で、「僕自身もっともっとああいうシーンを増やしていきたいと思います」と話す。そして、「チームとしてバランスをあまり崩したくないので、そこを見ながらというのが一番難しいんですけど、タイミングを図りながら、どんどんああいうプレーを出したい」と意気込む。

 もう一つが、得点をもたらすようなパスだ。バイタルエリアでボールを持ったときのラストパスは「まだまだ少ない」と説明したうえで、「個人の問題であるのと同時に、味方にこうして欲しいって伝えるのも僕の仕事だと思うので、そこはもっともっと伝えていきたい」とさらなる飛躍を目指す。