DeNA・山崎康晃が地方球場でファンに見せた気遣い「僕らにとっては143試合のうちの1試合かもしれないけど…」

AI要約

地方球場で行われた試合で、DeNA・山崎康晃投手がファンサービスや若手選手との交流を通じて、プロ野球選手のあるべき姿を示した。

山崎は練習補助を務めた地元チームの軟式野球部員と交流し、技術面だけでなく夢や経験についても話をした。

観客や若手選手とのコミュニケーションを大切にし、試合でも力投してファンを魅了した山崎は、地方巡業の貴重な経験を楽しんだ。

DeNA・山崎康晃が地方球場でファンに見せた気遣い「僕らにとっては143試合のうちの1試合かもしれないけど…」

【球界ここだけの話】

たかが1試合ではない。されど1試合だ。レギュラーシーズンで数少ない地方球場が舞台となれば、なおさら後者が当てはまる。DeNA・山崎康晃投手(31)の振る舞いに、プロ野球選手のあるべき姿を見た気がした。

巨人の主催だった5月14日の一戦は富山市民球場で行われ、1万9500人の観衆がスタンドを埋めた。ファンサービスを惜しまなかった右腕は「地方巡業ですから」とてらいもなく語った。

外野後方に立山連峰がそびえ立つ通称アルペンスタジアム。風光明媚(めいび)な球場での試合前の調整に一区切りがついた頃だった。チームとして3年ぶりの試合に訪れた山崎は、球拾いなどを手伝った一人の青年とキャッチボールを始めた。

練習補助を務めていたのは、富山市に拠点を置く武内プレス工業の軟式野球部員たちだった。高校や大学まで硬式でプレーしたメンバーで構成されており、社業と両立し、国体を制したこともあるチームだ。

山崎が交流を図ったのは、右投げの投手だった。歩み寄ってツーシームの投げ方を教え、壁当てで手本を示し、キャッチボールで使った球をプレゼントした。気軽にコミュニケーションを取り、プロ野球の球団職員になる夢の話を聞いたという。

「僕らにとってはシーズン143試合のうちの1試合かもしれないけど、彼らにとっては人生の中で大切な試合。同じ野球人。まだ若い方だったので、いろんなことを吸収できると思ったんです。『また球場で会おうね』とエールを送りました」

練習から引き揚げる際は外野から内野にかけてフェンス沿いを歩き、立ち止まりながらファンの声援に応じた。救援登板した試合では1回無失点と力投し、プレーでも魅了した。「いい思い出になればいいですね」。福井市に舞台を移した翌日の試合前にもファンサービスに励む姿があった。(鈴木智紘)