【玉ノ井親方 視点】「守り」の琴桜 残り2番、強い気持ちで土俵に

AI要約

琴桜と大の里の日本相撲協会の夏場所13日目の対戦について。大の里は攻めの姿勢で圧倒し、3敗を守った一方、琴桜は守りに入り、取り口が消極的だった。

大の里は新三役として挑戦者に対する気力があり、堅実な相撲を取っていた一方、琴桜は大関としての責務を感じ、堅守を試みる姿勢が見られた。

結果だけを追い求めるのではなく、積極的な相撲を取ることの重要性を指摘。次の取組に向けての意識や気持ちが大事であると語る。(元大関・栃東)

【玉ノ井親方 視点】「守り」の琴桜 残り2番、強い気持ちで土俵に

 ◇大相撲夏場所13日目(2024年5月25日 両国国技館)

 3敗を守った琴桜と大の里だが、相撲内容は対照的だった。終始攻めて相手を圧倒していたのが大の里。一方の大関は湘南乃海の体勢が低かったこともあり、右に少し変化気味に当たって右から出し投げ。よく相手を見て立ったともいえるが、守りに入った感じの取り口だった。

 それも仕方がないのかもしれない。新三役の大の里は失うものがない挑戦者だが、琴桜は大関として優勝を期待される立場。まだ阿炎戦、豊昇龍戦を残しており、賜杯レースに生き残るために大事に取ろうという意識が勢いを欠く相撲につながっているのだろう。

 ただ、結果ばかりを追い求めていては、絶対に良い相撲を取ることはできない。仮に自分から攻めて前に出て負けたとしても、その経験は次につながる。大関に上がった時の相撲を思い出して残り2番、強い気持ちで土俵に上がることが大事だ。(元大関・栃東)