「2場所連続で平幕力士が優勝なら三役は研修会を開いて猛省すべき」 大混戦の夏場所に元大関・琴風がピシャリ

AI要約

大関・琴桜が白星を挙げて3敗を守り、首位に並んだ。若元春との一番は、相手の得意の四つに苦しめられながらも、最後に勝利を手にした。

今場所は受け身の相撲が目立ち、逆転技の多い状況。もし琴桜が優勝し、綱取りが問われた際には疑問符がつく可能性も。

残り3日で3敗の力士が4人おり、琴桜は3連勝で自力で賜杯を手繰り寄せる責任がある。柳の下にはいつもドジョウがいる。

「2場所連続で平幕力士が優勝なら三役は研修会を開いて猛省すべき」 大混戦の夏場所に元大関・琴風がピシャリ

◆大相撲 ▽夏場所12日目(23日、東京・両国国技館)

 大関・琴桜が“命拾い”の白星で3敗を守り、首位に並んだ。若元春との結びの一番。相手得意の左差しを許して後退。最後は右上手投げで転がされたかに見えたが、両者もつれた。物言いの末、若元春の膝がつくのが早いと判断され、行司軍配通りで琴桜が勝利を手にした。

 * * *

 相撲の神様が存在するなら、琴桜の背中を押しているとしか考えられない。若元春との一番はまったくの負け相撲だ。立ち合いで先手を取られ、相手得意の四つになってしまった。投げの応酬も琴桜が投げ返したわけではない。右足の親指を痛めている若元春が自分で崩れて先に左膝をついた。

 今場所は受け身の相撲が多く、苦し紛れの逆転技が目立つ。先走って恐縮だが、仮に優勝して来場所の綱取りを問われたら、横審の委員からは間違いなく内容に疑問符がつく。

 残り3日で3敗が4人。琴桜には圧倒的な相撲で3連勝。自力で賜杯を手繰り寄せる責任がある。それが大関のプライド、覚悟というものだ。柳の下にはいつもドジョウがいるわけではないことを忘れるな。

 退職した身分なので言わせてもらう。もし2場所連続で平幕力士が優勝した場合は、三役以上の力士は研修会を開いて猛省すべきだ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)