琴桜、立ち合いの甘さを突かれ薄氷の白星 再びトップに並ぶ

AI要約

琴桜が若元春に苦しい勝利を収めるも、3敗を守り優勝争いは混迷する。

琴桜は苦しい勝利を収めつつ、最後の最後で初優勝を逃した初場所の経験を生かす意気込み。

優勝ラインが3敗まで下がり、4人が再び先頭に並ぶ展開となるなか、琴桜は準備を整え湘南乃海との勝負に集中する。

琴桜、立ち合いの甘さを突かれ薄氷の白星 再びトップに並ぶ

完全に相手の相撲だった。琴桜は立ち合いで若元春に得意の左四つを許し、右上手を与えてしまう。あっという間に土俵際まで寄り立てられ、残すのが精いっぱい。相手の上手投げで転がされそうになる絶体絶命の体勢から、右足1本で踏ん張り、執念ですくい投げを打ち返した。

琴桜が倒れ込むのと、若元春が左ひざから崩れるのは際どいタイミング。物言いが付くも、軍配通り琴桜は勝ちを拾った。

「もう一丁(取り直しになっても)行けるつもりで気持ちを作っていた。内容は良くないので、しっかり修正しないといけない」

立ち合いの甘さを突かれ、薄氷を踏むような白星だったとはいえ、ここで3敗を守れたことは大きい。

3日を残して優勝争いは混迷の度合いを増してきた。この日、2敗で単独トップを走っていた湘南乃海が3敗に後退。琴桜、新小結大の里、新入幕の欧勝馬を含めた4人が再び先頭に並ぶ展開となった。12日目終了時点で、優勝ラインが早くも3敗まで下がるのは平成15年名古屋場所以来、21年ぶりである。7人がひしめく4敗勢にも先頭の背中が見えてきた。

勝負の終盤戦、琴桜としては最後の最後で初優勝を逃した初場所の経験を生かしたいところ。「目の前の一番に向けて準備して集中してやっていくだけ」。13日目は湘南乃海との星のつぶし合いだ。(宝田将志)