保善がゴールラッシュ!都立青山を7-0で下し1次トーナメント突破

AI要約

令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選の1次トーナメントが終了し、20校が2次トーナメントに進出することが決まった。

プリンスリーグ関東1部の帝京と同2部の國學院久我山、関東高校大会予選を制した大成、日大豊山が2次トーナメントからの登場となる。

C組では保善が都立青山を7-0で破り、大量得点を挙げて勝利した。

保善がゴールラッシュ!都立青山を7-0で下し1次トーナメント突破

 令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選の1次トーナメントは5月19日、14ブロックの各決勝が行われ、5月25日に始まる2次トーナメントに進出する20校が出そろった。

 プリンスリーグ関東1部の帝京と同2部の國學院久我山、関東高校大会予選を制した大成、同準優勝の日大豊山は2次トーナメントからの登場となる。決勝に進んだ2校がインターハイ(7月27日~8月3日・福島県)の出場権を獲得する。

 C組は保善が大量7ゴールを奪い、都立青山に7-0で大勝した。

 前半は保善の攻める割合が高かったものの、両チームとも守りに神経を注ぐ戦いとなって決定的なシーンは互いに多くなかった。

 保善は6分にボランチ柴山大翔(3年)のミドルシュートをはじめ、13分にはMF鈴木陽太(3年)の右クロスを左MF塙羚冶(2年)がシュート。33分にFW大野泰朗(3年)がFKを直接狙ったが、GKに跳ね返された。

 1回戦で中大杉並にPK戦勝ちした都立青山は35分、ボランチ中村遼馬(3年)が左に好配給し、DF丹波葉(3年)の左クロスをFW城田啓(3年)が合わせたが、惜しくもDFにブロックされた。

 前半はともに決め手を欠き、無得点で終了した。

それが後半に入ると戦況は一変。1回戦で都立国分寺に3-0で快勝した保善が、絶え間なく得点を重ねていった。8分、柴山の蹴った左CKをDF齋藤颯吾(3年)がヘディングで先制点をたたき出し、ゴールラッシュの口火を切った

 21分、この1分前に出場したばかりの2人で2点目を奪う。MF黒木麻心(3年)が左から放ったシュートが混戦となり、FW永井亜門(2年)が素早く回収して押し込んだ。24分に右から持ち込んだ鈴木が、角度のない所から逆サイドに突き刺す巧みなシュートを決め、2分後には永井が柴山の右からの最終パスをニアサイドから蹴り込み4点目を奪う。

 都立青山は後半半ば過ぎから走力が落ち、ボールサイドでの攻防でも競り負ける場面が目に付き、そこを保善に狙われた格好だ。両サイドの守備も少し甘くなっていた。

 攻撃の手を緩めない保善は31分に鈴木が自身の2点目を決めると、この後大野が連続ゴールをものにした。36分に中距離シュートを蹴り込み、アディショナルタイムにはゴール正面22メートル付近のFKを直接ねじ込んで、圧勝劇を締めくくった。

 都立青山の決定機は後半4分の1度だけ。MF寺﨑優太(3年)が強烈な右足シュートを放ち、GKのファンブルを誘ったが、ゴールは割れなかった。しかし大量失点しても最後まで得点を狙う姿勢を崩さず、タイムアップ間際にも城田が精力的に左サイドの突破を試みた。

 保善の佐々木雅尚監督は「相手よりも出足の早い動きを徹底してやることだけを指示しました」と言い、後半に爆発した攻撃力については、「前半は少し運動量が少なかったので、(チーム全体で)守りの仕事をしっかりやろうと送り出しただけです。大量点はたまたまですよ」と謙虚に振り返った。

昨年は中支部予選ブロック決勝で青山学院に0-1の敗戦を喫し、1次トーナメントにも進めなかった。それだけに2次トーナメントに懸ける思いも強いはずだが、指揮官は「きょうと同じで、相手より出足で勝る試合をするだけです」と最後まで控えめ姿勢を崩さなかった。

 交代出場で2ゴールを決めた永井は、「悪い流れを変えようと思ってピッチに立ちました。1点目よりいい形で取れた2点目のほうがうれしかった」とトップチームでの公式戦初得点を喜んだ。父がナイジェリア人で母が日本人。「ハーフなので自分の強みはフィジカルとヘディングです。2次トーナメントでも得点し、チームを引っ張っていきたい」とご機嫌だった。

       

(文・写真=河野正)