「記録なし」に終わった日本インカレから1年、外部指導の効果もあり、雪辱の初優勝 伸びしろ十分な早稲田のハイジャンパー

AI要約

早稲田大学の矢野夏希が女子走り高跳びで初優勝を果たし、国内トップクラスを目指す若きハイジャンパーであることが紹介された。

矢野は1m76の高さで初回の跳躍で成功し、最終的に森﨑優希と齋藤みゆを抑えて優勝を勝ち取った。1m79に挑戦するも成功せず、優勝記録が最高だった。

矢野は、1m80を次なる目標に掲げ、憧れの先輩の記録を超えることを目指してトレーニングに励んでおり、怪我や試合での落ち込みを経験しつつも成長していることが伝えられた。

「記録なし」に終わった日本インカレから1年、外部指導の効果もあり、雪辱の初優勝 伸びしろ十分な早稲田のハイジャンパー

9月20日の第93回日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)2日目、女子走り高跳びで早稲田大学の矢野夏希(2年、時習館)が初優勝を飾った。本人によれば、中学高校を通じて初めてつかんだ全国のタイトル。これから国内トップクラスをめざす、伸びしろ十分なハイジャンパーだ。

25選手が臨んだ女子走り高跳び決勝。今年の日本選手権参加標準記録(1m74)を超える高さの1m76には矢野のほか、日本女子体育大学の森﨑優希(1年、明星学園)と中京大学の齋藤みゆに(4年、名城大附)が進んだ。森﨑は高校2年だった2022年夏の全国高校総体(インターハイ)で、1m76を跳んで優勝した実力者。齋藤は混成競技も得意で、2人の自己ベストは1m77。ともに矢野より1cm上回っていた。

1回目。矢野は最初の跳躍で自身の自己ベストでもある1m76を成功させた。バーが落ちていないことを確認すると、スタンドで応援していた大学の仲間たちに向けてガッツポーズ。森﨑と齋藤は、ともに2回目で成功させ、3人とも1m79に進んだ。だが、この高さは3人とも3度の挑戦で成功ならず。試技差で矢野の優勝が決まった。

今大会は「優勝を狙うよりも『1m80』を跳ぶこと」に主眼を置いていたという。「跳べれば、自然と結果も付いてくると考えていました。80を狙うためには、79を1回目じゃなくても3本以内に跳ばなきゃいけないと思っていたので、悔しさもあります。でも、優勝できたことは率直にうれしいです」と語った。

1m80を一つの目標に設定したのは、日本のトップクラスやさらにその先の世界をめざしていく上で「絶対に超えていかないといけない壁」だと思っていること。そして矢野にとって憧れの先輩・仲野春花(現・ニッパツ)が持つ早稲田大記録(1m83)を意識しているからだ。「仲野さんの記録を更新していくためにも、1m80を跳ぶことはマストだと思っています」と力強い。

ただ、大学1年目の昨シーズンは苦しんだ。ルーキーイヤーから関東インカレに出場したものの、記録は1m60。直後に臀部(でんぶ)を痛めた。その後もうまく練習を積めない時期があり、昨年の日本インカレは記録なしに終わった。「この頃は、試合に出てもノーマーク(記録なし)で終わってしまうことも多かったです」と悔しかった当時を振り返る。

1年前の日本インカレが終わった後、左足首を故障した。ケガが1回治ると、ひざなど、また別のところを痛めてしまう悪循環の日々。今年3月ごろに本格復帰するまで、フィジカルを徹底的に鍛えたという。