阪神・島田海吏「うなぎネタはもういい」 岡田虎のバイプレーヤーが若手の台頭に発奮

AI要約

島田海吏外野手(28)の野球人生にかける熱い思いや苦しい過去、そして今季の奮闘が紹介されている。

昨季は打撃で苦しんだ島田が、今年は打率.289を記録し復活を果たしている様子が描かれている。

島田は「うなぎ」という愛称で知られるが、今後は新しい呼び名で活躍したいと意気込んでいる。

阪神・島田海吏「うなぎネタはもういい」 岡田虎のバイプレーヤーが若手の台頭に発奮

【球界ここだけの話】引退や戦力外といったニュースが出てくる季節になってきた。巨人が優勝マジックを減らす中、森下や前川ら若虎の奮闘で、昨季日本一の意地をみせる阪神。じつは、今季7年目の島田海吏外野手(28)にも注目していた。

「今年ダメだったら(野球人生は)終わるんじゃないか、という気持ちでキャンプから過ごした。ダメだったら本当に終わりなので」。今季に懸ける熱い思いを聞いたからだ。

だが、春季キャンプは2軍スタート。開幕1軍は果たすも1週間で2軍落ちしたが、気持ちは切れなかった。5月下旬に再昇格。今季は57試合に出場(21日現在)し、打率・289(76打数22安打)、2打点、4盗塁。代打や代走、守備から出場するパターンが多い中、課題だった打撃で数字を残している。

「凡打になっても、強い打球を打てば『いまのは悪くないな』とプラス思考に考える。その日、ダメなら次の日と、気持ちを切り替えられるようになった」

上武大から2018年にドラフト4位で入団。22年には主に2番で123試合に出場し、打率・264、17打点。リーグ5位の21盗塁(トップは30盗塁の近本)を記録。漫画「天才バカボン」のウナギイヌに風貌が似ていることから「うなぎ」と呼ばれ、島田のグッズが注目されたこともあった。

順風満帆とはいかなかった。外野のレギュラー定着を目指した昨季は打率・145。プロ6年目で最低の数字だった。「打たなければという思いが強過ぎて、(スイング時に)体が前に突っ込み、ボール、ストライクの見極めもできず、いつもは振っていなかったボール球にも手を出すという感じだった」。森下や前川の成長とともに打席に立つ機会も減っていく。井上、野口、小野寺…。自分よりも年下の選手に出場機会が与えられる。

「1打席1打席、無駄にはできない」。9月7日のヤクルト戦(神宮)、翌8日の同戦でともに代打で安打を放った。10日のDeNA戦(甲子園)は途中出場して2打席連続安打。3試合で4打席連続安打を記録した。

「うなぎネタはもういいかなと(笑)。新しい名称で呼んでもらえるように、必死に頑張ります」。逆転優勝は厳しい状況ながら、〝岡田虎のバイプレーヤー〟は奇跡を信じて、グラウンドに立つ。(三木建次)