関本賢太郎氏 佐藤輝の進化が見えた決勝本塁打 直球1本に絞り、ポイントを前にした迫力の一撃

AI要約

阪神がDeNAを延長10回戦で6-5で破り、佐藤輝の決勝本塁打が光った。

岡田監督の予言通りに広島が巨人を逆転し、阪神の勢いが増した。

継投の成功や巨人のリリーフ不安など、阪神が連覇に向けて重要な一勝を挙げた。

関本賢太郎氏 佐藤輝の進化が見えた決勝本塁打 直球1本に絞り、ポイントを前にした迫力の一撃

 ◇セ・リーグ 阪神6ー5DeNA(2024年9月21日 横浜)

 【関本賢太郎 視点】佐藤輝を見直した。見事な決勝本塁打だった。延長10回、あの打席だけ風が右翼方向に流れていた。本塁打を呼ぶ風だった。狙いはウェンデルケンの重たい直球1本。2球目のファウルのときから、ポイントを目いっぱい前にしていた。初めて見る姿だった。

 そしてポイントを前にしたままの4球目を右翼上段に運んだ。優勝争いの土壇場で迫力あるバッティングができる。これが佐藤輝の魅力だ。粘って粘って取った1勝が、きょう22日からの巨人との直接対決につながる。佐藤輝も最高のメンタルで決戦を迎える。これは大きな意味がある。

 実は試合前、岡田監督を直撃させていただいた。「もうひと波乱ありますか」と聞くと「広島が勝ったらあるよ」の答えだった。予言通りに広島が巨人に逆転勝ち。いいニュースはすぐにベンチに伝わったはずだ。巨人敗戦の直後、8回に同点。流れは阪神だった。

 桐敷、石井、ゲラ、岩崎、そして岡留の継投で6回からゼロを並べたのも勝因だ。逆に巨人はリリーフに不安を残しながらの甲子園入りになった。崖っぷちの阪神だが、ここから局面が変わる可能性はある。きょう22日に先勝すれば、連覇も現実味を帯びてくる。監督を含めた総力戦、悔いない戦いを期待したい。(スポニチ本紙評論家)