進路調査で「就職、サウサンプトン」“プロなんて考えられなかった”少年がプレミアを目指すまで…スカウトも驚く高岡伶颯(17歳)の才能とは

AI要約

昨年のU-17W杯で4ゴールを挙げた高岡伶颯が、サッカー選手としてではなく、サウサンプトンへの就職を選んだ理由について驚きが広がっている。

高校3年生でプレミアリーグのクラブ、サウサンプトンとの就職が内定しており、プロサッカー選手としての道を進むことを決断した。

高校の監督は、高岡の自己主張とコミュニケーション能力を評価し、サウサンプトンでも成功すると確信を示している。

進路調査で「就職、サウサンプトン」“プロなんて考えられなかった”少年がプレミアを目指すまで…スカウトも驚く高岡伶颯(17歳)の才能とは

 昨年のU-17W杯で4ゴールを決めて注目を集めた快足ストライカー・高岡伶颯(れんと)が選んだ進路に、誰もが驚かされた。宮崎の大自然の中で育った小柄で無垢な少年は、いかにしてプレミアが欲する未来の宝に成長したのか。

 発売中のNumber1103号に掲載の[逸材17歳の素顔]高岡伶颯「僕、サウサンプトンに就職します」より内容を一部抜粋してお届けします。

 猛暑日が続く7月のある日、普通科スポーツ進学コース3年B級のグループLINEにメッセージが入っていた。差出人は担任の原敬太先生。日章学園高校サッカー部の監督でもある。用件は進路調査だった。進学先、就職先が決まっている生徒は、明記して返信するように書かれている。内定先の企業名、進学先の学校名が並ぶなか、実直な高岡伶颯()は少し戸惑いつつもスマートフォンの上で指を動かした。「就職、サウサンプトン」

 2023年のU-17ワールドカップで4ゴールを記録した快足FWは複数のJクラブからも獲得オファーを受けていたが、『就職試験』となったトライアルで認められ、すでに内定済み。来年3月12日に18歳の誕生日を迎えると、プレミアリーグのクラブに正式に加入する。1年時から学級担任を務めてきた原監督は、教え子が自ら選んだ大きな挑戦に太鼓判を押す。

「伶颯は高卒で海外に行っても大丈夫だと思います。言葉の問題を解決するパーソナリティーもあるので。クラスでは大人しい優等生なのですが、サッカーになると、自己主張できますし、オープンマインドでコミュニケーション能力も高い。親御さんの教育も良かったんだと思います。恥ずかしがらずに500人くらいの前で一発芸もできますし(笑)。何よりサウサンプトンに能力を高く評価されていますから」

 宮崎県都城市で生まれ育った高校3年生に提示されたサラリーは、上限額が決まっているJクラブの数倍以上。育成ビジョンも明確に示され、すぐにレンタルに出されることもない。プロ1年目はトップ昇格を目指すU-21チームの一員としてリザーブリーグで経験を積む予定だという。

 盆中日の夕刻、あと半年ほどで英国へ飛び立つダイヤの原石は、雑然とした部室の雰囲気に溶け込んでいた。よく日焼けした顔をまっすぐに向けて「2年目にはプレミアリーグの試合に出て、チームに貢献できる存在になりたい」と野心を燃やす。