冷静に前回王者逆転 和田、「不登校」から頂点へ―卓球女子〔パラリンピック〕

AI要約

和田が知的障害者の卓球女子シングルスで優勝し、金メダルを獲得。過酷な練習を乗り越えて幸せな表情を見せる。

冷静なプレーで前回大会王者を破り、相手を圧倒。自身のペースで試合を進め、相手のミスを誘って勝利を収める。

障害があることを受け入れ、ダイエットをきっかけに卓球を始めた和田。社会に出るきっかけとして成長し、将来も上を目指す意欲を示す。

 卓球女子シングルス(知的障害)の和田は優勝が決まると、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 過酷な練習を乗り越えてつかんだ金メダルに「すごく幸せ」。目には光るものがあった。

 リードを許しても冷静だった。第1ゲームは8―11で先取されたが、第2ゲームからはカットを多用する前回大会王者に対し、前後左右に揺さぶりをかけて自分のペースに持ち込んだ。第3ゲーム以降は相手のミスを誘って圧倒。「(後半は)落ち着いて相手の嫌がっているコースを見ていたと思う」と振り返った。

 サービスで決めようとせず、相手の返球を受けた3球目でポイントに結び付けることを強く意識した。体幹強化などの成果で体の軸がぶれず、「長いラリーになっても崩れなかった」と手応えを語った。

 中学2年時に障害があることが判明し、中学3年からダイエットを目的に競技を始めた。小中学校では不登校の時期も経験。卓球の練習はきつかったが、「社会に出るきっかけになった。自分を成長させてくれるもの」。同じ境遇の人たちにも「勇気を出して一歩踏み出してほしい」と思いを寄せる。

 国際大会にデビューして以来2年ほどで、世界最高峰の舞台で頂点に立った21歳。「まだまだ挑戦者で上を目指したい」と満足した様子はなく、4年後の次回大会を見据えた。