太田格之進vs牧野任祐「きょうは俺の負け」 勝者が語る、同チームバトルが生んだ熱いドラマ【スーパーフォーミュラ2024】

AI要約

スーパーフォーミュラ第5戦でレースに劇的な「ドラマ」が生まれた。

同じチームの牧野任祐と太田久保が激しいバトルを繰り広げ、太田のマシントラブルにより牧野が優勝。

2人の仲の良さとライバルとしての熱い戦いが描かれ、次戦に向けての準備を誓う。

太田格之進vs牧野任祐「きょうは俺の負け」 勝者が語る、同チームバトルが生んだ熱いドラマ【スーパーフォーミュラ2024】

8月25日(日)、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われたスーパーフォーミュラ第5戦。

そのバトルがレースに劇的な「ドラマ」を生み出した。

優勝を争う激しいバトルを演じたのは、牧野任祐(まきのただすけ・27)と(おおたかくのしん・25)。ドコモ・チーム・ダンディライアンのチームメイト同士だった。

シーズン開幕前のテストで太田は。

「僕3歳からカートに乗っているんですけど、本当にデビューしたチームも一緒ですし、だから本当にちっちゃい時から(牧野を)知っています」

大阪府出身の牧野と京都府出身の太田。同じ関西出身で幼い頃から知る2人が、国内最高峰・スーパーフォーミュラの舞台で同じチームに所属。

プライベートでも仲の良い2人だが、一度コースに出ればライバル同士。

最高の相棒と最強のライバル。開幕戦でも2人はバチバチのバトルを見せた。

牧野もチームメイトを意識している。

「チームメイトとは言えやっぱり一番身近にいて、一番同じような車に乗っているので、一番比較される場所ではありますし、お互い負けたくない気持ちはもちろんあると思うんで」

スーパーフォーミュラ第5戦。2人が有言実行のバトルを見せた。

レース最終盤、優勝を争っていたのは、同じチーム・ダンディライアンの2台。

トップを走る太田に2位の牧野が迫る。チームも無線で2人に指示を送る。

「クリーンファイトで頑張ろう。クリーンファイトでお願いします」

このまま何事もなければワンツーフィニッシュ。チームにも緊張が走る中、残り3周。2人のバトルが始まった。

攻める2位の牧野に対し、守るトップの太田。順位は変わらないまま、残りは(2)周。待っていたのは残酷な結末。

太田無線:

ああー、壊れたスロットル。

トップの太田がマシントラブルでスピン、まさかのリタイア。

このままレースを制した牧野。

しかし勝者・牧野の顔に笑顔もガッツポーズもなかった。

「きょうはアイツ(太田)のレースだったと思うし、1回仕掛けて、1回バトルして、そこでも抜けなかったので、きょうは俺の負けだったと思うんですけど。ただ僕たちチーム・ダンディライアンは一見ふざけているように見えるかもしれないけれど、めちゃくちゃ真剣にレースやっているので」

「それがきょうのバトルだと思うので。次戦の富士もアイツとまたいいバトルができるように、しっかり準備して次に臨みたいと思います」

レース後、そこには健闘を讃え合う2人の姿があった。

肩を組み歩く牧野と太田。ライバルであり、相棒でもある。

これは、そんな2人だからこそ生まれた名勝負だった。

(映像提供:JRP)