阿部真生騎 2レース共にトラブルで結果残らず だがフリー/予選では進歩を感じ、次戦へは前向き!!【CIV第4戦】

AI要約

阿部真生騎は、イタリアで開催されたCIVイタリアン・スピード・チャンピオンシップに挑戦し、予選で苦戦しつつもトラブルに見舞われながらレースに臨んだ。

レース1とレース2ではトラブルによるリタイヤが相次ぎ、結果を残すことはできなかったが、成長を感じさせる走りを見せた真生騎は次戦に向けて意欲を示した。

真生騎は今後のレースでの挑戦を楽しみにしており、残りのシーズンで納得のいく結果を残したいと意気込んでいる。

阿部真生騎 2レース共にトラブルで結果残らず だがフリー/予選では進歩を感じ、次戦へは前向き!!【CIV第4戦】

「ノリック」故・阿部典史の長男である阿部真生騎は、2023年から渡欧。VFT Racing Webike Yamahaからスーパースポーツ世界選手権(WSBK)スーパースポーツ600に参戦している。2年目となる今年の初戦はイタリア・CIVイタリアン・スピード・チャンピオンシップ(CIV)へ挑戦を開始した。今回はその第4戦の様子をお伝えしたい。

文/Webikeプラス 佐藤洋美、写真/VFT Racing Webike Yamaha

阿部真生騎 予選1-39番手 レース1- 28位

予選2-41番手 レース2-トラブルリタイヤ

阿部真生騎は、日本でのトレーニングを終え、第4戦イタリア選手権へと向かった。開催サーキットはミサノサーキットだ。ここは開幕戦で走行しており、未経験のコースではないこともあり大きなポジションアップを狙った。イタリア到着してからも近場のサーキットで走り込みを重ねレースウィークに入った。

今大会のレース1はナイトレースとなり、慣れない走行ながら果敢に挑むがトラブルが出てしまったマシンで走り続け28位でチェッカーを受けた。レース2はデーレースだったが、ここでもトラブル発生でリタイヤを余技なくされた。フリー、予選と、確実にタイムアップ出来ており、決勝を走り切ることができればと悔いの残る戦いとなった。

開幕戦で負った左ひざの前十字靭帯が伸びてしまったケガは回復、長らく自転車トレーニングが中心だったが、7月に入ってからはランニングを再開、イタリアに向う前には1日10kmを走るまでになった。イタリアに入ってからは車で1時間半くらいの距離にあるミニバイクコースを走り込んだ。今大会はナイトレースが実施されるため夜の走行にも備えた。鈴鹿8時間耐久参戦経験はあるが夜の走行経験がなく初めての挑戦となる。

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8月1日木曜日

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開催サーキットのミサノは、開幕戦で走っているため、コースを覚える必要がないことから、チームも本人も期待をもってのサーキット入りだった。だが、走り始めると「ラインやアクセルを開けるタイミングなど合わせ込むことに時間がかかった」と調整が続いた。

夜のフリー走行が行われたが、想像以上に照明が暗く、昼のラインと同じように走れないことを確認する。

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6月21日金曜日

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3回目のフリー走行で「かなりコースに慣れてきて、6速全開で開けていく所もラインを掴めて全開でしっかり行けるようになった。でも、まだアクセルを開けきれてないコーナーが多々ある」と課題を残した。

■予選1―39番手

ナイトレースが行われるレース1決勝に向けての予選が夜に行われた。前日のフリー走行のタイムを参考に中団グリッドを狙ってのアタックとなった。

42台が出走した予選1回目、ダッラ・ポルタ・ロレンツォ(ヤマハ)が1分38秒654でトップタイムとなる。38秒台は上位3選手。39秒台が4番手から16番手。40秒台が17番手から33番手までとなる。真生騎は1分42秒089で39番手となった。

「ラインなど少し良くなったが、やっぱり昼よりアクセルを開けられない所がある。路面温度が高くない分少しタイムは上がったがまだまだ目標には届かなかった」

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8月3日土曜日

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■予選2―41番手

タッチーニ・レオナルド(ドゥカティ)がただひとり1分37秒884と37秒台に入れてトップタイムを記録する。2番手にリネージュ・ダビデ(ドゥカティ)が1分38秒115で受け、3番手にロレンツィオが1分38秒148で付けた。

真生騎はタイムアタック何にストレートでスロー走行する2台のマシンに引っかかってしまいタイム更新できないない不運があり、仕切り直そうとピットインし、再度アタックに飛び出そうとしたが、今度はマシントラブルでコースイン出来なかった。最終的に記録出来たベストタイムは1分41秒823と、41秒台へとタイムを短縮するが41番手となる。

■ナイトレース1-38番手

トップ争いはレオナルドとロレンツィオの争いとなり、レオナルドが0.111秒差で先にチェッカーを受け優勝。2位にロレンツィオが入った。3番手争いを制したのはオッタヴィアーニ・ルカ(MV・アグスタ)で、僅差でマントヴァーニ・アンドレア(ドゥカティ)が4位となった。

真生騎は「スタートは上手くいって前に出られたが予選で出たマシントラブル(回転数が4、5000回転までしかいかない)が1コーナー入る前に再発してしまう。ここで、ピットインしたら、走り切ることができない、マシンはなんとか走っていたので、途中で直る可能性に賭けて走り続けることにした」とコースに留まり38位でチェッカーを受けた。

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レース1、レース2とトラブルで結果を残せず

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■8月4日日曜日

朝のフリーは赤旗中断となるが、ベストタイム近くで走行が出来、レース2決勝へと期待をつないだ。

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レース2-トラブルリタイヤ

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ルカが決勝中に1分38秒台へとタイムアップする走りを見せて独走優勝を飾る。2番手のダビデに4秒2位もの差を付けてチェッカーを受けた。ダビデはレオナルドとの2番手争いを制した。3位にレオナルドが入り表彰台に登った。

真生騎は好スタートを切るが、目の前で転倒者があり、前の集団から離されてしまう。だが、そこから追い上げ前の集団に追いつくが、1コーナーでブレーキをかけた時にエンジンから異音がしてスロー走行となる。その真生騎に向けてオレンジボールが振られてリタイヤとなった。

「今回は予選でもトラブルが出て、決勝の2レースともトラブルが出てしまった。トラブルの原因をチームも考えてくれて、対策してレース2決勝を走ったが、それでも、ダメだったので残念な気持ちが大きい。フリー走行、予選とタイムを1秒くらい毎に短縮出来てきて、走行毎にタイムを詰める感覚があるので、決勝も走り切りたかった。結果を残すことができていないが、フリー走行や予選での感触は良くて、全開で行けなかったコーナーもアクセルを開けて行けるようになっている。その感覚を忘れないように、次戦に挑んで行きたい。シーズンも、残り2戦4レースとなり、納得できるレースがしたいと思う」