「日本のバスケはすごい」タイでファン獲得へ…佐賀バルーナーズ 中西佑介選手も参加

AI要約

佐賀バルーナーズがタイでファン拡大のプロモーションを開始。タイと佐賀県の交流が10年以上続く中、バスケットボールチームが初めてタイでファン獲得に乗り出す。

バルーナーズは日本博でブースを出展し、タイ人ファンにチームを紹介。タイの人気スポーツはまだバスケが浸透していないが、バルーナーズは地域での取り組みを通じて成長を目指す。

バルーナーズはタイ語のSNSも活用し、国際試合や選手交流も検討。経済産業省の支援を受けて事業展開を進める。

「日本のバスケはすごい」タイでファン獲得へ…佐賀バルーナーズ 中西佑介選手も参加

 【バンコク稲田二郎】プロバスケットボールチームの佐賀バルーナーズは、タイでファン拡大に向けたプロモーションを始めた。佐賀県とタイは約10年前に県内で撮影されたタイ映画の公開を機に交流を深めており、タイ人ファンを広げてSAGAアリーナなど県内へのさらなる誘客を狙う。日本のプロバスケチームで、タイでファン獲得に乗り出すのは初めて。

 バルーナーズは活動の第1弾として、首都バンコクの商業施設で8月30日から3日間行われている総合日本展示会「日本博」にブースを出展。30日には、チームの立ち上げ直後から参加している練習生の中西佑介さん(30)が、来場者と写真を撮ったりステッカーを配ったりして関心を引いた。高校で日本語教師をしているワイさん(23)は「生徒にバスケを教えています。渡辺雄太選手が米プロNBAで活躍するなど日本はすごい。興味があります」。

 現地メディアによると人気スポーツの1位はサッカー、2位バレーボール、3位バドミントンで、バスケはこれから。会場でも多くの人が競技を知らなかったが、中西さんは「佐賀でも最初はバスケが根付いておらず、こんな感じでした」。子どもたちの指導教室などで地域に浸透し、Bリーグ1部(B1)まで昇格した道程と重ね合わせ「これからです。バスケを通じ、佐賀の魅力を知ってもらえれば」と力を込めた。

 バルーナーズはタイ語のインスタグラムやフェイスブックを既に開設し、情報発信している。タイの協会関係者らを招いた同日夜のレセプションで、田畠寿太郎社長は「タイの皆さんと交流し、新たな価値を生み出したい」とあいさつ。国際試合や選手の交流も検討するという。経済産業省の「スポーツコンテンツ海外展開支援事業」の補助金などを基に事業展開する。

 県とタイの交流が本格的に始まったのは2013年。県フィルムコミッションがロケを誘致したタイ映画「タイムライン」の公開を機にタイ人観光客が急増、新型コロナ禍前の19年には宿泊観光客は1万人を超え、6年で約28倍にもなった。この動きに合わせるように、県内では17年から毎年タイフェスティバルを開催。今年2月には山口祥義知事がタイ王室に鍋島焼を献上し、佐賀をPRした。

 山口知事はレセプションに寄せた動画で「タイの人々に佐賀でスポーツを楽しんでほしい」と呼びかけ、SAGAアリーナの魅力も紹介。県は、タイで人気の女子バレー「SAGA久光スプリングス」もアピールし相乗効果を図りたいとしている。