【日本代表が苦戦する策士・イバンコビッチ率いる「ベタ引きの中国」をどう崩す?(2)】「前回と役割や立ち位置が違う」と話す三笘薫の起用法は……中村敬斗、前田大然との使い分け

AI要約

2026年W杯最終予選初戦・中国戦に向けて、日本代表は相手の守備を攻略し、伊東純也と三笘薫の活躍がキーとなる。

三笘はプレミアリーグでの活躍で調子を上げ、スタメン起用に自信を深めており、自身の変化を示したいと考えている。

中国は三笘への対策を練り、苦しめる可能性があるため、組み合わせの柔軟性が必要であり、前田大然や中村敬斗も重要な存在となる。

【日本代表が苦戦する策士・イバンコビッチ率いる「ベタ引きの中国」をどう崩す?(2)】「前回と役割や立ち位置が違う」と話す三笘薫の起用法は……中村敬斗、前田大然との使い分け

 5日の2026年W杯最終予選初戦・中国戦で白星発進を目指すなら、相手の強固な守備ブロックを確実に攻略し、早い時間帯にゴールがほしいところ。伊東純也の個の力が日本のストロングなのは確かだが、もう1人の槍・三笘薫をどう活用していくかも慎重に検討すべきテーマと言える。

 前編でも触れたが、森保一監督は本来であれば伊東と三笘の両翼を揃ってスタメン起用して、迅速に敵を粉砕したいはずだ。

 三笘自身も長く苦しんだ腰のケガが癒え、今季は開幕からイングランド・プレミアリーグで活躍している。それは朗報だ。

「僕は3試合戦えているので、コンディションは問題ないと思いますけど、チームの戦い方が全く変わってくるので、そこはしっかりとアジャストできるようにしたい」と本人も自身の状態に自信を深めている様子。「前回(最終予選)との役割も立ち位置も違うので、自分が課されている役割をしっかりと担ってチームに貢献しないといけない」という自覚もある。

 彼としては、主にジョーカー起用されていた3年前とは異なる自分を確立させたいという思いが強いはず。今回はスタメンで出続けて、日本の攻撃をリードしていくことが重要タスクだと捉えているに違いない。

 ただ、中国のブランコ・イバンコビッチ監督も世界で名を馳せる三笘を封じることが勝利への絶対条件だと考え、対策を徹底してくるはず。アジアカップ準々決勝で日本を破ったイランが彼にボールを保持させないようにロングボールを多用してきたように、中国も同じ戦いを選択してくる可能性がないとも言い切れない。

 そういう環境下で、三笘に頭からハードワークさせてしまうと、徐々に運動量が低下し、持ち前の切れ味鋭いドリブル突破が出なくなることもあり得る。もちろん相手の出方次第ではあるのだが、守備力を重視するのであれば、左サイド要員の中では前田大然(セルティック)が一番計算できる存在だ。彼も直近9月1日のレンジャーズ戦で左FWで出場し、1ゴール1アシストの大活躍を見せていて状態は非常にいい。思い切ってスタメン起用を考えていいのではないか。

 もう1人の中村敬斗(スタッド・ランス)も伊東純也との関係性を踏まえると、長い時間使いたい選手ではある。9月1日のレンヌ戦を見ても、伊東の今季初ゴールを筆頭に2人が絡んで数多くのチャンスが作り出されていた。中村敬斗のフィニッシュの迫力と精度も大きな武器になる。そのあたりも勘案しつつ、どの組み合わせがベストかを最後まで見極めることが肝要だ。