【日本代表が苦戦する策士・イバンコビッチ率いる「ベタ引きの中国」をどう崩す?(1)】韓国も苦戦した中国の守備。キーマンは7か月ぶり復帰の伊東純也のサイドでの打開か

AI要約

日本代表が2026年北中米ワールドカップに向けて、アジア最終予選を控えている。過去の最終予選で苦戦した経験から、今回の中国戦に警戒心を持って臨む必要がある。

前回の最終予選でUAE、オマーンに不覚を取ったことから、今回の中国戦でも手堅い攻略が求められる。特に相手がオマーン指揮官であることから、重要なポイントとなるサイドアタックの展開がカギを握る。

森保一監督は伊東純也の存在を重要視し、彼の復帰で攻撃面を強化して臨む考え。4バックの布陣から始動し、伊藤洋輝不在の影響も気になるが、守備陣の布陣には安定感がある。

【日本代表が苦戦する策士・イバンコビッチ率いる「ベタ引きの中国」をどう崩す?(1)】韓国も苦戦した中国の守備。キーマンは7か月ぶり復帰の伊東純也のサイドでの打開か

 2年後に迫ってきた2026年北中米ワールドカップ(W杯)で優勝という大目標を掲げている日本代表。9月5日の中国戦(埼玉)からスタートするアジア最終予選では圧倒的な実力を示して、早い段階で切符を勝ち取りたいところだ。

 しかしながら、ご存じの通り、日本は2018年ロシア・2022年カタールの両W杯に向かう最終予選初戦でUAE、オマーンという相手に不覚を取っている。前者は本田圭佑が早々と先制点を奪ったが、そこからまさかの2失点。決まったかと思われた浅野拓磨(マジョルカ)の2点目も認められず、黒星発進を強いられた。後者はオマーンに徹底した対策を講じられ、攻めあぐねた末に、0-0で迎えた終盤に左サイドを割られ、クロスからスペースに飛び込まれ、1点を献上。そのまま0-1で敗れるという波乱の幕開けとなった。

 奇しくも3年前、オマーンの指揮を執っていたのが、今回の中国代表指揮官、ブランコ・イバンコビッチ監督だ。

「(同じ監督というのは)すごく嫌。前回も1~2か月合宿をしてから来ましたよね。そのくらい気合を入れて日本対策をしてくると思う。前回、メチャメチャ守備されて、攻撃が何もできなかった部分もあった。相手のコンディションがすごく整っていたこともあって、後半カウンターで危ないシーンが沢山あった。厄介だった印象が強いですね」と生き証人・長友佑都(FC東京)は警戒心を募らせた。

 日本は前回最終予選で中国とも戦っているが、その時も攻めあぐねた。特に9月のアウェー戦(ドーハ)はその傾向が顕著だった。相手は攻撃意識が乏しく、自陣に人数をかけて守るばかり。決勝点は伊東純也(スタッド・ランス)の右サイドでの突破から大迫勇也(神戸)が挙げているが、今回も相手はベタ引きできると目されるため、サイドでどれだけ局面打開できるかが重要なポイントになりそうだ。

 となれば、やはり伊東を使わない手はない。1~2月のアジアカップ(カタール)期間中の週刊誌報道によって、代表を外れていた彼は、7か月ぶりに代表に戻ってきた。森保一監督にしてみれば、「2次予選は純也なしでも乗り切れるが、最終予選はそうはいかない」という思いがあるからだろう。実際、前回最終予選の全12得点を見ても、伊東はゴール4、アシスト2、PK奪取1と半数以上に絡んでいる。絶体絶命の危機を救ってくれた男に指揮官は”鬼門”も初戦を託すはずだ。

 6月の2次予選2連戦(ミャンマー・シリア)では3バックにトライした森保監督だが、今回はベースの4バックからスタートするはずだ。左サイドバック(SB)の伊藤洋輝(バイエルン)不在は気がかりだが、守備陣はGK鈴木彩艶(パルマ)、DF(右から)菅原由勢(サウサンプトン)、板倉滉(ボルシアMG)、町田浩樹(サンジロワーズ)、中山雄太(町田)で行く公算が大だ。